判例時報2286号で紹介された事例です(東京高裁平成26年12月24日判決)。


本件は、X夫婦の子供であるAが、血縁関係にないのにYを認知したことから、A夫婦が、民法786条の「利害関係人」として認知無効を求めたという訴訟です。なお、Aは婚姻しておりBという子がいました。






(認知に対する反対の事実の主張)
民法第786条  子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。







戸籍上勝手に自分たちの孫がいるということになってしまい納得いかんというわけです。
理由としては、X夫婦より先にAが死亡した場合Yは代襲相続人ということになってしまう(血縁関係のないものに遺産がいってしまう)、実際の血縁関係がないのにX夫婦とYとの間には扶養義務が生じてしまうといったことなどでした。


原判決はA夫婦は「利害関係人」に当たらないとして訴えを却下しましたが、その理由としては、X夫婦とAは30歳以上年が離れていて代襲相続が発生する可能性は高いとはいえないことや、代襲相続が発生したとしてもAに実子Bがいる以上、X夫婦の生存者の相続分に変化はないので損得はない(仮にYしか代襲相続人がいないのであれば相続分が変わってくる)ことなどから、X夫婦は認知無効を主張する「利害関係人」には該当しないと判断しました。



しかし、高裁では、相互に扶養義務が生じるという関係は発生すること、可能性が低いとしても仮にAとBが同時に死亡した場合にはX夫婦とYとの間で相続権の優先の問題が発生するということもあるので、A夫婦は当該認知によって直接身分関係に関する地位に対する影響を受ける「利害関係人」であると判断しました。


また、AがどうしてもYを子にしたいということであれば、認知ではなく、養子縁組という制度を利用すべきであるとも指摘されています。








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