判例タイムズ1421号で紹介された事例です(東京高裁平成25年9月18日判決)。








本件は,高齢者がその死亡する約2年前に,亡夫の連れ子夫婦との間で行った養子縁組について,高齢者の実妹らがその養子縁組当時の高齢者の判断能力を問題として無効を主張したという事例です。死亡した高齢者の遺産相続という点から考えた場合,養子縁組が有効であれば養子が相続するのに対して,養子縁組が無効であれば,兄弟姉妹が相続するという関係となります。








一審では養子縁組は無効とされましたが,高裁では,判断が逆転し養子縁組は有効とされました。








理由の一つとしては,養子縁組の動機,すなわち,養子となった連れ子は,高齢者が亡夫の後妻となって以降,縁組の時点まで約49年間,連れ子の妻についても約30年間,法的には親子関係はないものの,義理の親子として同居して生活しており,養子縁組をしたとしても不自然ではないという点です。


高齢者の妹側からは,連れ子たちが高齢者を虐待していたという主張もされましたが,高齢者が物盗られ被害を訴えていたとしても,それが本当かどうかは不確実なところがあり,診療記録などからは両者の関係が悪化していたことを示す記録もないことなどから,養子縁組を否定する事情にはならないとされました。










また,高齢者の判断能力に関して,縁組の約5か月前に実施された長谷川式スケールで18点となっており認知症があったとしても重度のものとはいえないことや平成20年6月の認定調査で生活自立度はⅠとされていることなどから,養子縁組の時点でその行為の意味を理解できないほどの判断力の低下があったとまではいえないとされています。








以上の次第から本件養子縁組は有効と結論付けられました。











今後も遺言や養子縁組などの有効性を争うことはどんどん増加するものと考えられます。















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