http://www.sankei.com/affairs/news/160331/afr1603310017-n1.html


ハンセン病患者の裁判を療養所などに設置された「特別法廷」で開いていた問題を検証している最高裁が、特別法廷設置手続きに不適切な点があったことを認め、元患者に謝罪する方向で検討していることが31日、関係者への取材で分かった。最高裁が事務手続きの誤りを認めて謝罪するのは極めて異例。

 15人の裁判官全員で構成する裁判官会議で近く決定し、早ければ4月中に公表する報告書に盛り込む。個別の裁判の内容には踏み込まないため、再審の理由にはならない見通し。

(3月31付産経新聞オンラインから一部引用)。


他の報道などもあわせ読む限り,ハンセン病患者の裁判手続きで,閉鎖された「特別法廷」において,裁判官,書記官,検察官のほか弁護人までもがマスクをして,火鉢で書類をめくるなど,患者を人間扱いせずに進められた裁判手続きは,裁判という名に値するものではなく,憲法37条1項に規定する「公平な裁判所」の「公開裁判」を受ける権利を侵害するものとして,違憲違法なものであったということができるものと思います(弁護人までもがこのような手続に加担していたというのは本当に恥ずべきことだと思います)。



そうすると,既に有罪判決を受けた被告人について再審開始をすべきではないかということが問題となりますが,刑訴法上,再審開始の事由については次の通り定められているところです。




刑事訴訟法第435  再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
 有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
 原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
 原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。


本件に該当する再審開始事由が明確に規定されていないのですが,この点で,同じく憲法37条1項で規定されている「迅速な裁判」を受ける権利を侵害された場合には免訴の判決をすべきものとされており(判例),ハンセン病感じやに対する裁判についても,6号の免訴の言い渡すべき明らかな証拠を発見したときとして,その救済が図られるべきなのではないかと考えられ,今後,そのような動きも出てくるのではないかと思います。



記事で再審開始の事由にはならない見通しというのは,この点については具体的な再審開始を求める手続の中で判断されるべき事柄なので報告書中では踏み込まないというだけで,実際に再審開始の申立がなされれば前記のような解釈論により再審開始,免訴を求めていくべきものであり,また認められるべきものであると考えられます。





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