判例タイムズ1421号で紹介されている事案です(東京高裁平成27年3月5日決定)。



本件は,貸金業を営む会社の代表者であった者について,平成21年に債権者による申立により破産手続が開始されたという破産事件で,破産者が海外旅行の許可(平成27年3月14日から5月14日までの約2か月間の間に東南アジアを旅行先とするというもの)を申し立てたのに対し,破産裁判所が,旅行前に予定されていた平成27年3月11日の債権者集会への出席を条件として許可をしたのに対し,破産者が,抗告したという事案です。



転居や海外旅行などについては破産法37条1項で裁判所の許可が必要とされていますが,破産管財人が同意すれば,黙示の許可があったものとして取り扱うという運用がされている裁判所もあり,本件でも,破産者が30回の海外旅行申請をしたのに対し,破産管財人がそのうち20回については同意し,その際,帰国後に債権者集会が予定されているものについては出席するよう付言したが破産者はいずれも出席しなかったということです。



なお,本件では,破産者は13回の債権者集会の期日すべてを欠席していました(うち6回は刑事事件での勾留による出頭不能,残りは体調不良やうつ病等の理由)。



破産法第37条  破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。
 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。


そして,さすがに,今回の海外旅行については破産管財人は不同意としたため,破産者が裁判所の許可を求めたところ,裁判所は前記のとおり,旅行前の債権者集会に出席することを条件とする許可を出すという,ちょっとした癖だまを投げたのでした。



抗告を受けた高裁でも,破産法37条1項は,破産者の逃亡や財産隠匿の防止のほか,破産者に説明義務を尽くさせるという趣旨もあることなどを理由としてあげ(旅行に行きたかったらきちんと期日に出てからにしろということ),破産裁判所の判断を支持しました。






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