http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160325/k10010455821000.html?utm_int=news_contents_news-main_001

学校の組み体操の練習中などにこの46年間に9人が死亡し、障害が残った子どもは92人に上ることがスポーツ庁の分析で分かりました。スポーツ庁は安全を確保できない場合は組み体操を行わないよう全国の教育委員会などに通知しました。
(3月25付NHKニュースウェブから一部引用)。


組体操(ピラミッドやタワー)についての危険性に関しては社会的に十分に認知されてきているように思います。この状況で敢えて危険な態様による組体操を行うという場合には,事故が起こった際の学校側の責任が認められる方向に働くものと思います。



組体操の事例ではありませんが,高校の体育祭での騎馬戦で起こった事故について,騎手を務めていた高校生が第七頚椎以降が完全麻痺となったという事案で,学校の責任を認めて,学校を管理する県に対し約2億円の損害賠償を命じたという裁判例がありますので紹介しておきます(福岡地裁平成27年3月3日判決)。



本件の騎馬戦は,3人の馬が一人の騎手を支え,各騎馬が1対1で組み合い,勝敗条件としては,騎馬が崩れるか,騎手の頭が騎馬役の高校生の腰部より下に下がったら,その騎馬が敗北するというものでした。




裁判所は,このような勝敗条件は,そもそも騎馬が崩れることや騎手の落馬を伴うことを想定しているものであって,危険の発生が当然に予想されているものであるとしてまいす。

また,騎馬戦は,サッカーや野球などと異なって年に1回程度の体育祭などでしか行われない頻度のものであるから,生徒が騎馬戦に習熟していることも想定しがたいとしています。



このようなことから,本件騎馬戦の実施に当たっては,生徒に十分な事前練習,具体的には,最初は畳やマットの上などで転落時の危険性が低い状態で転落した場合の練習を十分に積ませる,次に騎馬を組んだ状態で互いに手を離してから危険を回避する練習をつさせるなどの練習を十分にさせることが必要であったとしています(学校ではこのような練習はしていなかった)。

また,本件騎馬戦では,もみあいとなり不安定な態勢となった騎手がどの方向に倒れるのか予測がつかないものであり,各騎馬に配置される審判員である教師は,複数配置すべきであったともされています(本件では騎馬一組に対して教師一人が配置されていたのみであり,実際に,騎手が教師がいたのとは反対方向に崩れ落ちた)。




上記のようなことから,本件では,学校側の責任が認められ約2億円の賠償が命じられています。



組体操についても同じようなことはいえるわけで,特に大規模なピラミッドやタワーが崩れてしまった場合,教師が支えようとしても,たくさんの児童・生徒が一瞬にして崩落してきて支えきれないという事態は十分に考えられるものと思われます。





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