判例時報2280号で紹介された事例です(東京地裁平成27年6月25日判決)。


本件は、「相談相手になってもらいたい」などのメールを送るサクラを利用して顧客を引き込み金を支払わせるという違法な詐欺サイトが、決済手段として、顧客が電子マネーを利用していた場合に、電子マネー発行会社も責任を負うかということが問題となったという事案です。


電子マネーは、コンビニなどでID番号などが記載されたカードを購入し、買い物などの際に、利用者が、それを入力することで、店が電子マネー発行会社から支払いを受けるという決済手段です。
店が電子マネーを利用して支払いを受けるためには、電子マネー発行会社の加盟店となる必要があります。


そして、本件電子マネーは資金決済法に基づく仕組みに当たるため、利用者保護の観点から、金融庁によるガイドラインにより、加盟店が販売、提供するサービスが公序良俗に反するものではないことを確認することなどの加盟店管理についての規定が定められており、加盟店契約締結後に前記のような事情が判明した場合には契約を解除する措置をとれるようになっているか(契約解除条項の整備などのこと)などが求められていました。


判決では、電子マネー発行会社は、自ら構築した決済システムを支払いの手段の一つとして利用させているに過ぎないこと、電子マネー亀甲会社が得ている利益はシステム利用の対価でありその実質はシステム維持のための事務手数料といえること、利用者は自らの意思で電子マネーによる支払いを選択し決済システムを利用しているに過ぎないことなどが指摘され、電子マネー発行会社は加盟店管理義務を求められているとはいえ、加盟店が提供するサービスを逐一チェックするということになれば支払いシステムの利便性を阻害することになるしそのようなことは事実上不可能であるということから、本件では、消費生活センターからの苦情を踏まえて実際に契約解除している事情も踏まえて、電子マネー発行会社には責任はないものと判断されています。


加盟店管理義務という観点でいうと、信販会社の加盟店管理義務ということとの比較についても判決では触れられており、信販会社の場合は、加盟店が信販会社の信用供与を利用して顧客を獲得し信販会社が得ている利益は加盟店が獲得した顧客に信用を供与することで報酬を得ているという関係があることなどから、両者には違いがあるということが述べられています。




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