刑事事件の上告審判決の確定

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「パチンコ店放火殺人、死刑確定へ 最高裁「計画的な無差別殺人で残酷」

http://www.sankei.com/affairs/news/160223/afr1602230027-n1.html


 大阪市で平成21年に5人が死亡したパチンコ店放火事件で殺人罪などに問われ、1、2審で死刑とされた高見素直被告(48)の上告審判決で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は23日、「人出が多い日曜日のパチンコ店を狙った計画的な無差別殺人で極めて残酷かつ悪質。遺族の処罰感情も峻烈だ」として被告の上告を棄却した。5人の裁判官、全員一致の意見。死刑が確定する。
(2月23日付産経ニュースウェブから一部引用)。


最高裁の判決が最終の判断ですので,上告棄却された時点で確定と考えてもよさそうですが,記事の見出しで「死刑確定」となっているのは,刑訴法で次のような規定となっており,上告棄却があっても直ちには確定しないとされていることからです。



 
刑事訴訟法第415条  上告裁判所は、その判決の内容に誤のあることを発見したときは、検察官、被告人又は弁護人の申立により、判決でこれを訂正することができる。
○2  前項の申立は、判決の宣告があつた日から十日以内にこれをしなければならない。
○3  上告裁判所は、適当と認めるときは、第一項に規定する者の申立により、前項の期間を延長することができる。



第418条  上告裁判所の判決は、宣告があつた日から第四百十五条の期間を経過したとき、又はその期間内に同条第一項の申立があつた場合には訂正の判決若しくは申立を棄却する決定があつたときに、確定する。


最高裁の上告棄却判決に対しては10日以内に判決訂正の申立というものをすることができることとなっています(刑訴法415条1項,2項)。上告棄却判決後,この判決訂正申立の期間の経過をもって判決が確定するということになっています(刑訴法418条)。申立をした時はその訂正又は棄却決定がなされたときになります。




「判決の内容に誤」というのは実質的な謝りのことをいい,被告人の本籍や住所の表示は含まれないとした判例があります。

また,訂正の申立の棄却決定に対してさらに訂正の申立をするということになるとエンドレスとなり判決が確定しないことになるので,再度の訂正申立は許されないこととなっています(刑訴法417条1項)。



規定としては存在するものの,訂正の申立が認められるということは事実上あり得ないです。



前刑の執行猶予の期限が切迫していて,それを過ぎれば前刑の執行猶予が取り消されずにすむというようなケースでは,あらゆる手段を使って執行猶予の取消を阻止しようと,上告棄却後もこの判決訂正申立の制度を使う被告人もいますが,裁判所の方でもそのようなことは先刻ご承知なので,記録の表紙に「執行猶予期間切迫」というスタンプが赤々と押印してあり,そういうケースですと速攻で棄却されるということが多いように思います。




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