判例タイムズ1419号で紹介された事例です(東京高裁平成26年10月2日決定)。



氏名の変更について,戸籍法は,氏については「やむを得ない事由」を,名については「正当な事由」を必要として,いずれも家裁の許可を得たうえで認められるということになっています。



氏の変更の方が,名の変更よりも要件としては厳しいものと解釈されています。



戸籍法第107条 やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。



第107条の2 正当な事由によつて名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。

本件は,氏の変更についての事例になりますが,夫の氏(婚氏)を名乗っていた女性が,離婚に際して,婚氏をそのまま名乗り続ける婚氏続称を選択し,15年以上経過した後,婚姻前の氏に戻りたいという申立をしたところ,家裁はこれを不許可としましたが,抗告を受けた高裁では,許可としたというものです。



理由としては,離婚当時,婚氏続称を選択したのは,当時9歳であった長男の学校生活上での便宜のためという理由でしたが,時が経ち,長男も大学生となったという事情やその長男が女性(母親)の復氏に同意していること,離婚後,女性は実家の両親のもとに戻り婚姻前の氏を通称として使用して近所付き合いをしていたこと,女性の妹たちはそれぞれ結婚して婚姻前の氏を離れており,女性が実家の氏を継ぐ者として認識されていることを挙げて,女性の婚氏が社会的に定着しているものとしても,本件においては氏の変更を認めるだけの「やむを得ない事由」があるものとされました。






■ランキングに参加中です。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村



■着手金の簡易見積フォーム
(弁護士江木大輔の法務ページに移動します。)


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。