判例時報2275号で紹介された事例です(東京地裁平成27年6月22日判決)。



会社のMAにおいては,譲渡人から譲受人に対し,対象となる会社の資産や負債の内容等について間違いがないことを表明保証し(表明保証条項),違反があった場合にの契約解除や損害賠償請求について規定しておくことが一般です。



本件は,譲渡人が半導体製造事業を営む子会社の株式を譲受人に譲渡する際に,事業に営むために必要な行政上の許認可が得られているということを表明保証していましたが,譲渡対象となっていた工場について,消防法違反の状態であることが発覚し,譲受人が違反を是正するために投じた工事のためのコストや弁護士費用を,表明保証得条項違反を根拠として損害賠償請求したという事案です。



裁判所では,譲渡人の表明保証条項違反を認めましたが,損害賠償の範囲としては,契約当時その工場で行っていた事業を行うのに必要な範囲に留まるものとし,当時の半導体事業や当該工場の事業状況に照らして,譲渡人が行った工事は過大であったとし,請求額そのままは認めませんでした。




また,契約上,表明保証条項違反に伴って発生した損害の中には合理的な弁護士費用も含むとされていたことから,損害額の1割相当額を合理的な弁護士費用として認めました。




本件は控訴されているということです。



私もMA案件にいくつか関与したことがありますが,無事に成就したと思った案件について後から瑕疵が発見されたりトラブルとなったりすると,とても暗い気持ちになるものです。



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