判例時報2275号で紹介された事例です(名古屋高裁平成26年6月26日)。


熾烈な相続争いでは,先祖伝来の仏壇,墓地,位牌,被相続人の遺骨を巡っても争いとなることがあります。まさに骨肉の争いです。


本件では被相続人(母親)の長女と次女が遺産分割を巡って紛争となったほかに,仏壇や墓地(墳墓),被相続人の遺骨をめぐって争いとなりました。



被相続人の生前,長女は被相続人の隣に住み,認知症となった被相続人の介護を行うなど交流が頻繁でしたが,被相続人の死亡後は,葬儀を行い,遺骨はその自宅に先祖の位牌とともに安置しているものの,その後の法要までは営むことがなかったとのことです。

原審(家裁)は,次女の方が,被相続人死亡後の法要を頻繁に行っていることなどを捉えて,次女に遺骨の所有権を認めて祭祀承継者としましたが,長女からの抗告を受けた高裁では,生前は長女の方が被相続人の療養看護に務めており,被相続人としても長女が管理するとしている先祖伝来の墓に入りたいと考えていたとするのが自然であること(次女は先祖伝来の墓ではなく別の墓に入りたいという被相続人の意思があったと主張しましたが,生前の被相続人が夫も入っている先祖からの墓を守っていたことなどから,その主張は退けられています。),死後の法要を行っていないのも次女との間に遺産分割をめぐって紛争を生じたからてであって祭祀を主宰する意思がないとはいえず,生ぞ伝来の墓に被相続人を葬りたいという長女の方針が被相続人の意思に沿うと考えられることなどを指摘して,長女に遺骨の所有権を認めて祭祀承継者とすることとしました。



この件とは直接関係ありませんが,遺産分割を有利に進めるという意図なのか,被相続人の死後に,突如として,それまで無関心であったはずの法要に積極的に取り組むという人がいることも事実です。




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