判例時報2274号で紹介された審判例です(東京家裁平成27年6月26日)。



子どもが私立学校に通っている場合の婚姻費用分担の方法については一度記事としたことがあります。

(子どもが私立学校に通っている場合の婚姻費用算定の一事例)

http:// ameblo.jp/egidaisuke/entry-12087442700.html



本件は,平成4年に婚姻し,平成6年に長女,平成9年に次女をもうけたものの,その平成22年から別居し,母親と子どもたちが同居しているというケースで,夫婦双方に,子どもの学費や留学費用のために借り入れたローンや実母からの借入があり,また,長女については私立大学に通っているものの既に成人しているという点などに特徴があります。



成人している長女については,まだ大学生であることから,未成熟子として扶養の対象とすべきとしたうえで,夫婦双方の年収に照らし合わせると,婚姻費用の算定表では夫が負担すべき月額2万円から4万円となるところ,夫が債務を負担していることについて考慮して減額すべきかどうかが問題となりましたが,本件においては,妻も子どもの学費のために借り入れをしていることや,夫が借入している実の母親に対する返済を優先すべきとはいえないことなどから,特に考慮はしないものと判断されています。

義務者に借金がある場合というのはよく問題となりますが,考慮してくれないと「そもそも払えない」ということになるのですが,実務上は,現実に払えるかどうかということとは切り離されて判断されてしまっていることが多いのというのが実感です。


長女,次女とも私立大学に通っていましたが,長女については,成人していることやアルバイトによる収入があること,奨学金の借入をしていることなどから,算定表上考慮されている公立学校との差額分についてまでは加算することは相当ではないとされ,同じく私立大学に通っている次女については,差額分を,本件では夫婦双方の収入で按分負担することとされ,夫について,上記算定表上算出される負担金額に差額分を加算した月額7万円が婚姻費用とされました。






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