判例タイムズ1418号などで紹介された事例です(大阪家裁平成26年8月15日審判)。



子どもをめぐる争いにもいくつかの類型がありますが,その一つとして多いのは,別居間の夫婦又は離婚後の父母の間で,子どもの監護者(実際に手元において子どもの教育,世話などをする権限をもつ者)の指定を申し立てるというものです。子の引き渡しや離婚調停,親権者指定といった他の申立とセットになっていることも多いです。



本件は,離婚前の別居中の夫婦の案件で,子どもを連れて実家に戻った妻が夫に対して,子の監護者を自分にするように指定を求めたという事案ですが,裁判所は,そもそも監護者を指定する必要がないとして申立を却下しました。



というのも,本件では,別居したとはいっても,妻は,勤務後に夫の家に行って夕食を作って子どもに食べさせるなどしてから実家に戻る,妻の帰宅が遅い日には子どもたちは妻の実家で祖母の作ったご飯を食べて,妻が寄託した後,夫の家に送り届けるなど,日曜日は夫婦が隔週で子どもの面倒を見ていたなど,夫婦が共同して監護していると評価できるような状態であり,家裁の調査官による調査でも,夫による監護が大きく問題があるという訳でもなく,子どもたちも家族が元通りになるのが一番良いと思っているといった事情があり,あえて,この段階で,夫の監護権を取り上げて子どもとの交流の機会を奪うのは相当ではないとされました。




監護者指定の申立では,どちらが監護に適しているかということに目が行きがちですが,そもそも監護者の指定自体に必要性があるのかという点に着目したという点で特殊性があるものとされています。






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