http://www.yomiuri.co.jp/national/20151221-OYT1T50077.html



起訴状によると、白井被告は大阪府内の建設会社側から依頼された損害賠償請求訴訟などを起こさずに放置し、2013年10月以降、判決文など5通を偽造して同社側に交付。さらに、別の依頼人から委任された不動産売却手続きで14年4月から今年5月にかけて、預かった売却代金約2800万円を着服したとされる。

 検察側は冒頭陳述で、偽造の動機について「不利な訴訟と感じ、敗訴がないという自身の経歴に汚点がつくと考えた」と主張。横領した金は、自宅ローンの返済などに充てたと述べた。

(12月21日付読売新聞オンラインから一部引用)。


記事を見たすべての弁護士の感想としては「んなわけないだろう」というところかと思います。



「敗けたことがない弁護士」,「100連勝中の弁護士」,「私,失敗しないんです」などというのはテレビドラマの中の世界であって,現実には勝ったり,敗けたりを繰り返しているのが現実ですし,そもそも勝つか負けるかというのは弁護士が決められることではなく,事実や証拠関係を踏まえて裁判所が判決によって判断する事柄ですから,弁護士が「敗けたことがない」などと見込み客や顧客に言うというのは,顧客の期待値を妙に高めてしまい,自分が飛び越すべきハードルを自分で上げる,自分の首を自分で締めるだけですので,そのようなことはしないのです。




確かに,弁護士が,訴える側である原告の代理人となる場合には「敗訴したくない」という心理状態は働きますので,証拠関係を手堅く評価したりして,敗けそうな場合には引き受けないということはあるかもしれませんが,提訴した案件で必ず勝てるということができるほど甘い世界ではないのもまた事実です。




で,今回,偽造の動機について「不利な訴訟と感じ、敗訴がないという自身の経歴に汚点がつくと考えた」と主張しているのはあくまで検察側ですので,検察側としては,取調べの中の雑談か何かで出てきた会話をさらっと調書にしてしまい,これを利用して,不合理な主張をしているということを被告人の悪性立証として利用したいということなのではなかろうかと考えました。





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