韓国政府の判決配慮要請

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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/s/213939



韓国司法が「報道の自由」を幅広く認めた産経新聞・加藤達也前ソウル支局長に対する17日の無罪判決をめぐり、韓国外務省が事前に司法当局に「判決の配慮」を求めたことに疑問の声が出ている。一部の韓国メディアは「司法権の独立を否定した」と指摘。法曹関係者からも「先進国ではあり得ない」と批判の声が上がる。
外務省からの要請は「日本各界から善処を求められており、要請を真摯(しんし)に考慮してほしい」との内容で、17日の公判で裁判長が判決言い渡し前に読み上げた。
韓国外務省当局者は判決後の17日夜、日本側記者団を集めて経緯を説明。「数日前、法務省に『日本側の要請を斟酌(しんしゃく)することを望む』との立場を伝達した」と明らかにした。有罪判決で関係改善の流れを壊したくない日韓外交当局が事前にすり合わせた対応とみられ、意向は法務省から裁判所に伝えられた。
(12月19日付西日本新聞ニュースウェブから一部引用)。



初めにこのニュースを聞いたときは詳細がよく分らず,「誰が誰に対して考慮を要請したのだろう」と疑問に思い,「まさか行政(韓国外務省)が司法(裁判所)に対して,ということはないだろう」と思っていましたが,露骨に,要請がされていたということだったのですね。



想起されるのは,我が国においても,遠い昔の事にはなりますが,明治時代のロシア皇太子暗殺未遂事件の一件で児島惟謙が政府からの干渉を排除したこととか(司法内部における裁判官の独立という問題もはらんでいたものですが),戦後においても砂川事件で最高裁長官がアメリカに早期解決を密約していたと言われていることなど,政治的な問題が絡む裁判においては,政府と司法との緊張関係というのは往々にして起こり得ることです。



現代ニッポンではここまで露骨な政府から裁判所に対する干渉や要請がされるということはないとはいえますが,政治的な問題について,裁判所が政府の顔色を窺う,空気を読むということが無いとは言い切れず,今回の件で,韓国のことを一方的に笑えるのかいな・・とは感じるところです。



とはいえ,司法の独立という理念が一応は掲げられているのであれば,記者会見までして要請したことを伝えるとかすることはあり得ないように思われます。

裁判長が要請があったことを判決言い渡し前に読み上げたというのは,政府に対する意趣返しということなのでしょうか・・・そうであれば,裁判官としての気骨を示したということで,尊敬に値する行為なのではないかとも感じました。



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