判例時報2267号で紹介された事例です(大阪高裁平成26年8月27日決定)。



離婚や別居に際しての養育費や婚姻費用を決めるため,家庭裁判所においては,標準算定方式と呼ばれる算定基準を準備しており,双方の年収(自営か給与収入かによって相違がある),子どもの有無,年齢や数に応じて養育費や婚姻費用の金額がある程度自動的に分かる算定表というものを用いています。



この算定表では,子どもが公立学校に通っているとの前提(年収約864万円の家計で15歳以上の子の公立学校での学費を年間約33万円として想定)で作られているので,子どもが私立に通っている場合にどのような修正するのかということが問題となります。




本件では,子どもが私立の高校に通っているケースでしたが,算定表に当てはめると,妻の収入の変動時期に応じて,「24万円~26万円」(妻の年収を約102万円として算定した場合)「22万円~24万円」(同じく約360万円として算定)の上の方に該当するものとされていました。



前記した算定表で想定されている年収約864万円の家計で15歳以上の子の公立学校での学費として年間約33万円という金額を踏まえると,本件で夫婦の年収(家計年収)の合計額は約1400万円から1671万円なので,年間50万円程度の学費相当分は,算定される「24万円~26万円」(妻の年収を約102万円として算定した場合)「22万円~24万円」(同じく約360万円として算定)の中に含まれているとされました。




そして,実際に子どもの私立高校に要する年間90万円の学費から50万円を差し引いた40万円が不足学費ということになり,これを夫婦でどのように分担するかが問題とされました。




このような場合,夫婦の年収に按分して負担金額を決めるというのが一般的な方法とされていましたが,本件では2分の1づつ(夫婦それぞれ年間20万円づつ)の負担割合とされたのが特徴的とされています。




年間20万円なので月額にすると約1万6000円なので,先の標準的な算定金額にこれを加算して,夫の負担すべき婚姻費用としては,妻の年収変動時期に応じて,それぞれ27万円,25万円とされました。




家裁実務では必須の算定表ですが,算定根拠となっている統計が古くなっているなど色々と批判も多いところです。

とはいえ便利な算定表ですが,何も考えずに単純に当てはめるのではなく,算定の根拠について具体的に理解した上で必要に応じて修正していくということも必要なことです。






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