判例時報2267号で紹介された事例です(東京地裁平成27年4月24日判決)。



キャリーバッグは便利ですが,混雑する空港や駅などで我が物顔に引いている人とぶつかりそうになると不快になります。



私も荷物が多かったり,出張に行く際にはキャリーバッグを利用しますが,混雑していたりする際には,キャリーバッグを横に曳き付けるなどして人に当たらないように注意しています。




本件は京王井の頭線の吉祥寺駅構内で,当時88歳の高齢者が,歩行者のキヤリーバッグに躓いて,骨折などの怪我を負ったとして,損害賠償請求したという事案です。




本件で,キャリーバッグを曳いていた歩行者側は,事故の原因として高齢者がキャリーバッグに当たって躓いたということ自体を争いましたが,裁判所は,キャリーバッグを曳いていた歩行者の供述が変遷していたことや全く責任を感じていなかったとすれば事故当日に単なる通りすがりの高齢者の自宅に菓子折りを持って訪ねたり入院先にお見舞いに行ったりすることは不自然であること,歩行者が父親(司法書士)に対して事故の責任がないと説明していたのだとすれば歩行者の父親(司法書士)が金銭の支払いを申し出るということは不自然であることなどを挙げて,事故の原因が,歩行者のキャリーバッグにあったことを認定しました(お見舞いに行ったり支払を申し出たりしたことを事故の責任を感じていたからだというように評価すると単純に考えるべきではなく,歩行者の尋問との整合性などとも併せて評価したというように考えるべきでしょう。)。




そのうえで,駅などの人通りの多い場所でキャリーバッグを使用する者にはね他の歩行者の歩行を妨げたり,それに躓いて転倒したりすることがないように注意すべき義務を負うとし,本件では,対面を歩行していた高齢者にキャリーバッグを衝突させて,転倒させ点に歩行者の注意義務違反があるとしました。




そして,高齢者側にも,対面からキャリーバッグを曳いている歩行者に注意して歩行すべきであるからということで25パーセントの過失相殺をしたうえで,入院費用や慰謝料などとして合計約103万円の支払いが歩行者に対し命じられました。





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