判例時報2266号で紹介された事例です(東京高裁平成27年6月12日決定)。




本件は,婚姻同居期間中の父親から母親に対する暴力(ものに当たる,激しく責める,暴行により大腿部打撲の傷害を負わせる)があったことから,母親が子どもを連れて別居し,その後,双方が,離婚や婚姻費用分担調停,監護者指定・子の引き渡しなどを求めて法的手続きを取るなどし,離婚訴訟において子どもの親権者を母親と定める判決が確定したという状況で,父親から母親に対し子どもとの面会交流を求める内容の審判が申し立てられたというケースです。




本件において,原審(家裁)は,母親が婚姻中の父親からのDVによってPTSDを発症し通院治療が継続していることや子どもを診察した複数の医師により,子どもが健やかに成長していくために必要な環境が父親による言動によって保障できなかったという経緯,未だにそのことが懸念されるという見解が示されていることなどを挙げて,現時点で無理に父親と子どもを直接交流させることは,子どもの福祉にとって利益にならないと判断し,「4か月に1回程度子どもの近況を撮影した写真を送付する」という限度での間接的な交流を母親に命じるに留める内容の審判をおこないました。



父親からの抗告を受けた高裁でも,事実認定や判断においてはほぼ原審のとおり認めたうえで,審判内容をもう少し詳しく,「4か月に1回,子どもの顔と全身を撮影した写真を1枚づつ父親に送ること」という内容に改めたうえで,なお,直接の交流は認めないという決定を下しました。






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