判例タイムズ1415号で紹介された事例です(東京高裁平成25年6月10日判決)。




債務整理の事案で,債務者が平成18年8月に司法書士に債務整理を委任し,司法書士が受任通知を債権者に対し送付したところ,その後平成20年11月に司法書士から個人再生申立の方針であること,申立時期は未定であることが債権者に通知されました。



その後も申立がなかったことから,本件債権者から司法書士に対し進捗の確認の連絡がされましたが,司法書士はこれらに対応しないこともあったということです。




そうこうするうちに当該債権は5年の消滅時効期間が過ぎてしまい,本件債権者はその後の平成24年4月に至って訴訟提起し,債務者は当該司法書士に対しその訴訟手続についても委任し,司法書士は手続の中で消滅時効の援用を行ったところ,当該債権者から,司法書士が介入したから債務者本人に対する訴訟も含む請求も控えていたのであって今になって消滅時効の援用をするのは信義則に反するという反論を受けてしまい,一審では,債権者の主張が認められました。




高裁では,本件司法書士の対応からすれば,個人再生の申立が予想される中で債務者に対する訴訟提起をすることが控えられるべきであることが貸金業者して通常の対応であるとしても,消滅時効の完成間際に至って,債権者が時効中断のために訴訟提起したとしても不法行為を構成するとはいえず,平成23年2月を最後に時効が完成する同年8月までの間,当該債権者が司法書士との間で何ら交渉を持っていなかったことも考えると,本件において消滅時効が完成したのは司法書士の言動のみにあったとはいえず(当該司法書士が債権者に対して訴訟提起を控えさせるような牽制をしていたり,時効完成直後に縁事項を援用するなどして時効消滅を狙っていたともいえない),債務者が消滅時効の援用を主張することは信義則に反するものとはいえないと判断されました。




本件は確定しているということです。




余計なトラブルにならないように債務整理は迅速に処理することが必要ですね。





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