判例時報2265号で紹介された最高裁の判決です(平成27年3月5日判決)。


本件の労働契約は年俸制で固定額の基本給を毎支給するのに加えて,会社の裁量により年単位でインセンティブ報酬が支給されるというもので,当該社員は平成18年度,19年度についてはインセンティブ報酬を支給されていましたが,平成20年度以降はリーマンショックによる業績悪化に基づき支給されず,退職勧奨等をされた上で整理解雇されたため,解雇無効の確認とインセンティブ報酬の支払を求めて提訴したというものです。



解雇無効も争われましたが(解雇無効については認められています),最高裁で上告が受理されたのは,会社によるインセンティブ報酬の不支給についての判断です。



高裁はインセンティブ報酬が発生しているとして会社に対して約1046万円の支払いを命じましたが,本件インセンティブ報酬は,就業規則にもその旨の規定はないものであって,業績等を勘案して会社の完全な裁量により定められるもので,平成20年度以降にインセンティヴ報酬を支給するとした決定がされたことはなく,いまだインセンティブ報酬が具体的に発生していないとして,高裁の判決を取り消し請求を棄却しました。




労働者が得る賃金のうち,ボーナス(賞与)については,労使の交渉や使用者の決定により算定基準等が定まり算定に必要な査定を経て初めて,その請求権発生するものとされていますが(判例),本件インセンティブ報酬もそのような性質のものであるとされています。





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