判例タイムズ1415号で紹介された事例です(東京高裁平成26年11月26日決定)。




平成24年に婚姻費用として月額10万円とする審判(前審判)が確定していたところ,夫から「収入が減った。」として減額を求める減額調停が申し立てられ,話し合いがまとまらずに審判に移行し,原審では,夫の収入が前審判時に約485万円であったのが今回約424万円となっていることから減額すべき事情があるとして婚姻費用を月額7万円とする審判がされたのに対し,妻が抗告したというのが本件です。




高裁では,審判確定後の事情変更による婚姻費用の減額は,その審判が確定した当時には予測できなかった後発的な事情の発生により,その審判を維持させることが一方当事者に著しく酷であって,客観的に当事者間の衡平を害する結果となると認められるような例外的な場合に限って許されるというべきであるとし,本件においては,夫の減収は約12.5パーセントであってそれほど大幅な減少とはいえないこと,前審判において夫の減収がどの程度予測されていたのかについて不明であること,妻が手術を受けるなどして体調も思わしくなく収入が減少していることを裏付ける資料を提出していること(単に前年度の課税証明書のみで妻の収入を認定するのは妥当ではない),妻の収入がその後回復しているのかも不明であること,夫婦間の長男(22歳),二男(19歳)に定期的な収入があるのか,妻が誰と同居しているのかといった妻の生活状況,経済状況に大きな影響を与える事情について明らかにされていないことから,単に夫の減収を理由として婚姻費用を減額した原審は妥当ではなく,事実を調べ直す必要があるとして,原審判を取り消したうえで差し戻しとしました。



婚姻費用や養育費を減額(増額)してほしいという要望はそれなりにありますが,一度決めた金額を後から変更してもらうというのはなかなか難しいところがあるというのが実感なので,決める際にしっかりと見通しを立てて決めておくというのが重要になるかなと思います。





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