http://www.yomiuri.co.jp/national/20150915-OYT1T50008.html



大阪府豊中市は14日、同市穂積の有料老人ホーム「A」で職員が入所者の顔をたたくなど虐待をしたとして、介護保険法に基づき、同ホームに対し10月1日から6か月間の新規入所者の受け入れ停止処分にした。同ホームは老人ホーム運営会社「B社」(岡山市南区)が経営し、入所者は43人。同社子会社が運営する川崎市の有料老人ホーム「C」では昨年、入所者3人が相次いで転落死したことが判明している(本日付読売新聞オンラインから一部伏字の上引用)。



同じグループの施設でこれだけ事故(というより,事件と言ってもよいように思いますが)が立て続けに起こってくると,一従業員の問題というよりは,組織としての会社の体質的な問題を孕んでいると言わざるを得ないように思います。




私もこういう仕事をしている関係上,入所施設の案内などをよく受けることがあります。



初めのうちは,どこも同じように見えて,違いというのもなかなかよく分らないのですが,何か所も異なる施設を見ていると,何となくですが,「匂い」というのか「勘」というのか,施設の良し悪しというのが分ってくることがあります。



一つには,やはり,施設職員の言動というのがあると思います。

良くないと感じる施設というのは,やはり,職員の笑顔が少ない,どこか投げやり,挨拶がないといった特徴があると思います。

やはり,そういう施設というのは労働条件があまりよくなく,ただでさえ辛い仕事でもあり,働くモチベーションがなお一層低かったりするのではないかと思います。

「なんだそんなことか」と思うかもしれませんが,今後,亡くなるまでそこで過ごすかもしれない本人にとっては重大な問題です。




職員の印象でいえば,まるでホストのような雰囲気で(髪をライオンみたいに立たせて,夜のお仕事のような黒服を着て,私のところに説明に来た施設の営業担当がいました。

その職員は,後見制度というものがまるで理解できていないようで,契約のためには,施設側が本人に会って意思確認をすることが絶対条件で後見人が同意しただけでは入所させることはできない,とにかく,本人の意思確認が必要だの一点張りでした(「後見は関係ありません」ということも言っていました。)。本人と直接会って状態を確認したというのは普通のことですが,本人が「入所したい」と言うかどうか(単にその一言を発するかどうか)が絶対の条件だというようなことを繰り返していって後見なんて関係ないかのような態度を示したのはここの施設が初めてで驚いた記憶があります。

ある別の施設では,後見人ということで来所したところ,とても敵対的な言動を取られたということもあります。

後見制度というのは法律に基づいた制度ですが,法律に対する正しい知識や法律に基づいた適切な対応を取れるかどうかというのは,順法精神を諮るうえで大切なことかもしれません。




また,悪印象の施設というのは,何となく,施設全体がジメジメとした感じで暗く淀んでおり,笑い声や話し声もあまり聞かれず,落ち着いているというよりは,声を上げてはいけないような,遠慮してしまうような雰囲気が漂っています。




有料老人ホームの入所に当たっては一時金が必要となることがあり一度入所契約してお金を支払ってしまうとなかなか別のところに転所するということが大変であったり,入所後は安心してなかなか訪問に行けずに施設にお任せになってしまいがちで目が行き届かないこともありますし,悪い施設に入ってしまうと本当に命に関わるということもあるわけで,施設選びは大変重要になってきます。




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