http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2015_0911.html



漏えい発覚のきっかけは、教え子の女性の答案があまりにもよく出来すぎていたことでした。
司法試験は、マークシートで複数の選択肢から正解を選ぶ「短答式」と、法律上の論点を論じさせる「論文式」の試験が行われ、その合計点で合否が決まります。(9月11日付NHKニュースウェブから一部引用)。



そもそも思うのは,このような点数付による一発試験で合否を決めるという旧司法試験を改めて,「点(一発試験)から線(時間をかけた教育)による選抜」という理念の下でロースクールが創設された筈であるのに,結局,高得点を獲得した者から合格してゆくという旧来と何の変りもない試験であることや,私たちの頃には「典型論点」と呼ばれる論点について論証パターンを暗記して答案を作成し,応用部分について試験の現場で考えるということをやっていましたが,同じような論述ぶりが目立つ金太郎飴答案ばかりになったという批判を浴びて司法試験改革が行われた筈であるのに,結局,論点ごとに点数を割り付けるという旧来と変わりのない採点方式を取っているのではないかということです。





試験での答案はほぼ完璧な内容だったということで、先月上旬、不審に思ったほかの考査委員から法務省に情報が寄せられ、漏えいが発覚しました。また、関係者によりますと、この女性は青柳教授が問題の作成に関わった「短答式」の試験でも正答率が極めて高かったということです。



六法(憲法・民法・刑法・商法・民訴法・刑訴法)と言いますが,実務法律家にとって必要なのは,少なくとも六法ともにバランスよく理解していることであり,一科目だけ突出して出来ているということは,一つの分野の研究者である学者としてはそれでよくても実務家としては使い物になりません。

実務に入った後で,人によってはそれぞれ専門の分野に入っていくことになるわけですが,優秀な人というのは「僕は刑事事件はやらないよ」といいつつも,基礎的なバランスよく素養が出来ていることから,いざとなれば,普段扱わない刑事事件であってもそれなりに柔軟に対応することができるものです。

逆に頭の固い人は,一つの論点ばかりに固執してしまい,ものの見方が一面的なので,実務ではあまり使えないことが多いものです(私のことかもしれませんが・・)。

私の頃の司法試験では,一科目でも失敗すると,他の科目がどけだけよくても不合格となるように出来ていたのですが,今の司法試験ではどのようになっているのか・・・やはり,全科目が平均を上回っていないと合格できないようにすべきだと思いますし,そのことによって一科目だけ良くなっても意味がないというようにしないといけないと思います。

考査委員側がバランスの良さということに留意しているのであれば,今回の件も,一科目だけ突出して出来が良いというバランスの悪さが悪事の発覚の経緯ということなのもうなづけます。

・・・・と言いながらも,新司法試験のもとでは,これまでのような金太郎飴答案を書くような特徴のない人間てはなく,個性のある多様な人材を確保しようということだったのであれば,憲法だけが異常にできる憲法バカのような人間を評価してもよいはずですね。




今回の事件自体は,馬鹿な一教授による破廉恥事件ということであろうかと思います。

また,司法試験の公正確保ということに目がゆきがちですが,そのこと自体は今も昔も変わりはないはずで,より本質的な問題としては,司法制度改革により新たな司法試験となったはずの制度と実際に行われている試験の内容や合否・採点の基準といったものがずれているというところにあるような気がしています。





■ランキングに参加中です。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村



■着手金の簡易見積フォーム
(弁護士江木大輔の法務ページに移動します。)


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。