判例時報2260号で紹介された事例です(東京地裁平成27年2月24日判決)。




本件は,マンション内の廊下で大便が漏らされていたり,ちくわや納豆ご飯を放置されている,ドアにマニキュアをつけられるといったことがあったため,マンションの賃貸会社が防犯カメラを設置したところ,マンションの居住者である6歳の子どもがそのような行為を行っていたことが確認されたため,賃貸会社が,賃借人である子どもの両親に対し,契約解除や損害賠償請求をしたというものです。




裁判所では,防犯カメラに写っていた上記行為以外に賃貸会社が子どもが行ったこととして主張した行為については,裏付けの証拠がないとして認めず,また,それはさておくとしても,防犯カメラの映像を確認した警察から連絡を受けて以降,両親は子どもの監督を強めていることから,契約を解除することまでは認められないとしました。




賃貸会社が清掃費用などに要した損害賠償請求については,当時6歳の子どもには責任能力が認められないが,その両親は,子どもが上記のような行為をしないように監督すべき義務があったにも拘わらずそれを怠ったとして,民法714条1項に基づき,両親の責任を認めて,損害賠償(約10万3000円)を命じました。




民法第712条  未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。



第714条  前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。



民法714条をめぐっては,学校の校庭でフリーキックをしていて遊んでいた子どもが蹴ったボールがそれて道路に飛び出してしまい,バイクを運転していた高齢者がよけようとして亡くなったという事案についての最高裁判決が出されるなどしているところです。




最高裁判決の事案は,遊ぶことが認められていた校庭でサッカーをしていたというものですが,本件では居住しているマンション内での迷惑行為ということで事案の性質におのずから差があるものと考えられます。










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