判例タイムズ1413号で紹介された事例です(東京地裁平成25年1月22日判決)。



平成3年から22年までの期間,顧問税理士に対し,税務書類の作成,申告のほか,財務書類の作成,仕訳データに基づく記帳代行などを依頼していた会社が,税理士が原始資料に当たらずに帳簿や仕訳などを作成せず,原始資料と決算との整合性を確認しなかったため,社内の経理担当者が取引先と通謀して行った不正経理を見過ごし,過大な法人税等を納付することとなったとして,約9500万円の損害賠償を求めたという事案です。



本件では,会社のベテラン経理担当者が原始資料から一旦仕訳を行ったうえで,税理士側では仕訳入力ソフトを使って会計帳簿の記帳代行,財務書類等の作成を行っていたのですが,会社と税理士との間で,原始資料に基づいて帳簿や仕分け等を行うということが契約内容に含まれていたかということが争点となりました。



裁判所の判断としては,会社と税理士との間では,長い期間,会社の経理担当者が原始資料から仕分けをした上でデータを税理士に渡すという流れで作業が継続されており,会社側がこのことに異議を述べていたという形跡もないことや会社側が税理士側に対して原始資料を預けるということもなく,税理士側が原始資料を確認していないことについて会社から異議が述べられたという形跡もなかったことから,本件において,税理士が原始資料に当たった上で帳簿等を作成することが合意されたいたとはいえないとされました。




なお,顧問料が月額約23万円であったことについて,原始資料の確認を行うことを前提とした税理士会の旧報酬会規から6割減額されていることなどから,この点を根拠とした会社側の主張も退けられています。




そのほか,不正経理の個別的項目ごとに判断もされていますが詳しくは判決文に当たってみてください。





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