http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150724/k10010165351000.html




日弁連の村越会長は24日、旭川市で開かれた北海道弁護士会連合会の定期大会に出席し、記者会見しました。この中で村越会長は、安全保障関連法案が衆議院で可決されたことについて、「大変遺憾であり残念だ。国民の多くが『問題がある』と指摘するなか、数の論理で採決したことに非常に強い怒りを覚えた」と述べました。そのうえで、「さまざまな集会やパレードをして反対の立場を市民に訴えていくほか、与野党を問わず国会議員への要請を強めて廃案を求めていきたい」と述べ、法案の成立阻止に強い意欲を示しました
(7月24日付配信のNHKニュースウェブから一部引用)。


先日,知り合いの地方議員と飲んでいた際,「なんで弁護士会って,会長とかが政治的な立場の表明とかするの?俺,安保法案賛成なんだけど。」と聞かれました。



弁護士会や日弁連が政治的な問題について,色々とコメントすることについては,コメントの内容がだいたいリベラルなものとなることから,主に保守層の反発があり,弁護士の中にも,弁護士会や日弁連のそのような言動に対しておかしいと感じている人もおり,確か,先日,これに関連する訴訟も提起されていたように思います。



弁護士法の規定によると,弁護士会,日弁連の設立の目的は,それぞれ,次のように定められており,政治的な問題について意見や立場を表明することについては,明記されていません。日弁連の立場としては,あくまでも,法律の専門家団体として,法的な観点からの一つの見方やあるべき方向性,政策提言をしているということなのでしょう。



弁護士法
第31条  弁護士会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士及び弁護士法人の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。

第45条  全国の弁護士会は、日本弁護士連合会を設立しなければならない。
 日本弁護士連合会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士、弁護士法人及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。

 



弁護士は,思想の内容に関わらず,弁護士会に加入しなければ業務ができないとため(強制加入),このような強制加入団体においては,特定の思想内容を法人として意見表明することは,個々の構成員の思想信条の自由を害する危険があるものとして,このような観点から,強制加入団体がとった措置について問題であるとしたものもあります。




税理士会が特定の政治団体に寄付するための特別会費の徴収することについては違法とされています(南九州税理士会事件最高裁判決)。一方,災害復興のための特別徴収については適法とされています(群馬司法書士会事件)。




弁護士会や日弁連においては,安保法制反対とか(例えば)共産党に献金するために特別に会費を徴収したりということはしておらず,その点では,南九州税理士会事件のようなケースとは異なると思います。

もっとも,政治的主張のために,弁護士からの一般会費が使われているということであれば,それはそれで問題となりますが,弁護士会の予算の使途については,弁護士自治の問題として,内部で検討整理すべきものだという考え方もあり得ます。



弁護士会に日弁連が一定の意見表明をしたとしても,個々の弁護士が別の意見表明することを禁止されるわけではなく,特別徴収金の納付を強制されるなどの何らかの意見表明に付随する行為を強制されない限りは,弁護士会等による意見表明は可能である,と考えることができるように思います。




もっとも,弁護士大増員時代となり,弁護士にもさまざまな考えかたや意見の人が増えているのは確かであり,これまでのようなやり方で意見表明を続けていくということが果たしてよいのかということについても考えていく時期に来ているような気はします。







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