http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150724/k10010164621000.html



大阪・吹田市で臨時職員として働いていた知的障害がある男性が、財産の管理などで支援を受ける成年後見制度を利用すると公務員の仕事を続けられなくなるのは、法の下の平等などを定めた憲法に違反するとして、仕事への復帰などを求める訴えを起こしました。
大阪地方裁判所に訴えを起こしたのは、大阪・吹田市の元臨時職員、Aさん(49)です。
訴えによりますと、知的障害があるAさんは、平成18年から吹田市の臨時職員としてパソコンを使ったデータ入力などを担当していましたが、4年前、同居していた父親の病気をきっかけに、吹田市に勧められて成年後見制度を利用し、司法書士が、財産の管理などを支援する保佐人に選任されました。
ところが、地方公務員法では、成年後見制度で後見人や保佐人を選任すると公務員として働けなくなる決まりがあり、吹田市はこれを理由に臨時職員の契約を更新しなかったということです。

(本日付配信のNHKニュースウェブから一部引用)。


 


後見制度をめぐっては,後見等が開始されると,本件のように公務員の欠格条項となっり,また,弁護士や医師,会社の取締役などさまざまな職業や地位についても欠格となり仕事を続けられなくなるという規定があることが多いです。



この点に関連して,先年,後見開始となったことにより選挙権を剥奪するという公選法の規定を違憲とする東京地裁判決が下され,その後の法改正にもつながっていったことは記憶に新しいところです。



後見や保佐が開始されたというと,判断能力(事理弁識能力)が低下しているということが公に認められたということであり,責任のある一定の職に就く資格を失うということはやむを得ないのではないかという考え方もあるところですが,他方で,判断能力の低下の程度などは人さまざまであり,寝たきりのままで問いかけにも全く反応できない程度の人から在宅で通常に買い物なども行っていて生活しているという人まで様々です。




そうすると,十把一絡げに後見等が開始されたから即欠格(失職)としてしまうという規定については,新しい後見制度の理念が,判断能力に応じた生活や活動を保障しようとしていることも踏まえると,人としての権利を強制的に奪うものとして,憲法上の問題を孕んでくるようにも思います。



また,記事によりますと,提訴した原告(Aさん)の方は,もともと知的障害があったものの平成18年からパソコン入力の仕事に従事していたというのであり,仕事の実体については何も変わらずに,保佐の開始を受けたことのみを理由として失職したということのようですから,少なくとも,Aさんについて公選法の欠格条項を適用することは違憲であるという適用違憲というタイプの主張も併せなされているのかもしれません。





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