判例時報2258号で紹介された最高裁判決です(平成27年3月27日判決)。




西宮市では条例を定めて公営住宅の運営をしていたところ,平成19年に条例を改正し,「入居者が暴力団員であることが分かったとき」は明渡を求めることができるとの規定(暴力団排除条項)を追加しました。




本件で被告となったXは,条例改正よりも前に公営住宅に入居していましたが,平成22年に,市から両親を同居させることについて承認を得て,その際,Xとその両親は「賃借人や同居者が暴力団であることが判明したときは直ちに住宅を明け渡します。」との誓約書を差し出しました。なお,Xは,そもそも当該市営住宅には住んでおらず,別に物件を借りて住んでいたということです。




その後,警察からの連絡によってXが暴力団員であることが発覚し,市が,前記条例の暴力団排除条項に基づいて,Xやその両親に対して明け渡しを求めたのが本件ですが,X側では,暴力団員を不合理に差別しており条例の暴力団排除条項は憲法14条(平等原則)に反する,居住の自由を認めた憲法22条1項に反するといった理由により,本件暴力団排除条項の違憲無効を主張しました。




一審,二審とも,X側の憲法違反の主張を退けて,市側の勝訴となり,最高裁も,次のような理由により,同様の判断をしました。




・地方公共団体が住宅を供給する場合において,どのような者を入居者として選定するか入居を継続させるかについては,一定の裁量がある

・暴力団員が公営住宅に入居することにより他の入居者の平穏を害する恐れがあることは否定できない

・暴力団員は自らの意思により暴力団員をやめることができる

などといった理由から,憲法14条には違反しない。




・同様に,本件規定による居住の制限は,公共の福祉による必要かつ合理的な制限であり,憲法22条1項にも違反しない。





■ランキングに参加中です。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村



■着手金の簡易見積フォーム
(弁護士江木大輔の法務ページに移動します。)


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。