http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140602/t10014905641000.html
日本と北朝鮮の政府間協議に出席した北朝鮮の代表は、日本政府が協議の合意に含まれていないとしているマンギョンボン号の日本への入港について、「人道的な船舶であり、今後、日本側と話し合わなければならない」と述べ、制裁措置の解除を巡って日本側との認識の違いを見せました。(本日配信のNHKニュースウェブから引用)。
さっそく条件闘争のような様相を見せ始めていますが、我が国の目標は拉致被害者の全員帰還であり、相手が望むものがあるのであればそれは逆にカードとなり得るものとして、交渉してもらいたいものだと思います。
また、国民が交渉の過程に一喜一憂せずに、冷静に見守ることも必要だと思います。
前回の2回に亘る小泉訪朝の際は、まれにみる極悪非道なやり口と悲惨な結果に国全体が感情的になり(私もですが)、こちらからカードを切ってまで交渉を進めていくというような雰囲気ではなくなってしまったように思います。ちなみに1回目の小泉訪朝の時は、私は司法研修所の2回試験の当日で、何の試験であったかは忘れましたが、試験後にぐったりと疲れ切って寮の自室に戻りテレビをつけたところ報道特別番組が流れていたのを思い出します。)
今回の報道等を見ていると、被害者家族の高齢化、また、安倍政権という小泉政権以来の近年にはない強力な政治的基盤のある政権であるということやさまざまな国際情勢もあいまって、「今回の機会を逃すともう後がない」という悲壮ではあるが、「絶好の機会である」という期待、「冷静に見守ろう」という雰囲気が醸成されているように思います。
国民世論が「早く早く」とせかせば相手に足元を見られてカードを切りすぎてしまうことにもなりかねないし、怒りにまかせて高飛車に出ればあの国のことですから「日本が約束を破った」として交渉破棄というカードをちらつかせてくることも考えられます。
国民の支持や後押しは必要だが、あまりそれに引っ張られてはいけないという難しいかじ取りが迫られますが、そういう意味では、安倍さんは国民の支持についてはある程度ふっ切ってしまっているようにも思うので(万人から支持されようとは思っていない。多少の皮肉も含んでいますが)、こと、この問題に関してはよいのかもしれません。
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