金融・商事判例1432号で紹介された事例です(大阪地裁平成25年11月22日判決)。



自動車保険には弁護士等費用保険特約というものがついていることがあり,これが付帯されていれば,むち打ちに基づく損害とか少額の物損など,弁護士費用を自分で負担してまで争うことは躊躇されるようなケースであっても,弁護士を代理人として安心して争うことができます。損保が弁護士を紹介してくれることもありますが,自分で依頼した弁護士の費用を損保に支払ってもらうこともできます。

最近では,この弁護士費用特約が広く普及してきて効果もあってか(といっても,実際の支払(利用)率はずっと低いようですが),以前であれば裁判所に持ちこまれなかったような少額の案件も弁護士代理人が選任された上で訴訟になるケースが多くなっており,さらに,弁護士費用の心配がないため,控訴,場合によっては上告までされてなかなか解決しない(和解もできない)ということも増加しているとも言われています。

支払上限額は通常の特約では上限300万円までということになっており,よほどのことがない限りは,依頼人と弁護士との間で合意した金額を支払ってくれます・・「よほどのことがない限りは」というのは,少し前に報道もされましたが,あまりにも高額な弁護士費用である場合には損保側とトラブルになるということもあるようです。



弁護士「等」費用特約は,弁護士費用のみに限られず,行政書士に業務を依頼した場合の報酬についても支払い対象となっていることが通常のようです。

これにより通常行政書士に対して支払われているのは自賠責の被害者請求書類の代行程度の報酬に留まっているのではないかと思われます。



本件で,自動車事故に遭った被害者は,平成21年12月から22年7月までの間に行政書士に対して支払った報酬19万円については弁護士等費用特約によって損保から支払を請けましたが,その後22年9月から24年9月までの間に行政書士に対して支払ったという月額2万円,合計50万円の報酬については損保から支払を拒否されたため,他に医療保険金などの支払いも合わせて訴訟に及びました。




裁判所は,行政書士に対する相談の内容を具体的に認定できるだけの客観証拠の提出がなく,支払済みの19万円を超えて,さらに34か月間に亘る行政書士に対する相談の必要があったか,また,その相談内容が行政書士法1条の3第3号に規定する相談の範囲内のものであったことを認めるに足りる証拠がないとして,行政書士に対する支払い済みの報酬についての保険金請求を棄却しました。




本件は控訴されているということです。






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