離婚後の子どもの親権や面接交流を巡っての深刻な争いというのは認知されているところですが,老親を巡っての同様な深刻な争いというのもあります。




子どもの場合には,社会や当事者の意識,また実効性という点で問題は多々残っているものの,法律上,面接交流についての規定も整備され,家庭裁判所での調停,調査官による調査,審判,その後のエフピックなどの面接交流の実施を援助するNPOなどの存在もあり,社会的な制度としてはある程度は充実しています。




しかし,老親の介護の仕方を巡って子ども同士が争いになったり,又は,相続をめぐる思惑,あるいは,それまでの長年にわたる感情的な問題などから,老親と同居している者が老親(高齢者)を囲い込んでしまって,自分の意に沿うものとだけしか会わせないとか,又は,誰とも全く会わせないという「囲い込み」の問題というのは,子どもを巡る面接交渉と違って,法律的にも社会的にも対応策の整備が不十分であることから,さらに深刻です。




高齢者虐待の事実が認められる場合には,老人福祉法や高齢者虐待防止法などに基づいて,強制的な措置を行うことができ,その過程の中で,囲い込みが解けて,会えるようになっていくということも期待できるのですが,虐待しているという訳ではなかったりそのような証拠がないような場合には,手立てがありません。




私のところには「囲い込まれてしまっていて親と合わせてもらえない」という相談が比較的多く寄せられるのですが,ケースによっては虐待通報をしたり,後見の申立てをすることによって,密室に風穴を開けてうまくゆくケースもありますか,虐待かどうか不明であるとか,本人の判断能力にあまり問題がなくて後見申立てができなかったり,または,後見人がついても面会についてまで助力してくれなかったりということで不調に終わるケースもあります。面会を求めて家裁での調停をしたというケースもあります。




今後,高齢化社会を迎えていく中で,このような相談はますます多くなってくるのではないかと思われ,子どもの面会交流ならぬ高齢者との面会交流というものについても,一定の制度の整備を図っていくことが必要なのではないかという思いです。






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