判例タイムズ1394号で紹介された最高裁判決です(平成25年7月18日)。



利息制限法では,借入金が10万円未満の場合は年利20パーセント,10万円以上100万円未満の場合は18パーセント,100万円以上の場合は15パーセントまでの利息を制限金利として定めています。



本件で,過払金を請求した原告は,過払金が約24万円発生していた時点で,新たに100万円の借入をしたことから,その後の利息計算は,新たな借入をした100万円をもとに計算するのか(年利15パーセント 原告側に有利となる),過払金を差し引いた残額約76万円をもとに計算するのか(年利18パーセント)が問題となりました。



高裁は,年利15パーセントで計算すべきとしましたが,最高裁は,過払金を差し引いた後の年利18パーセントで計算すべきと判断し,高裁判決を破棄しました。



過払金が発生している場合に新たな借入をした場合,それが基本契約に基づいて借入と弁済が繰り返されるような性質の場合には(設定限度額までは借入が自由にできるようなカードローンのことです),過払金が発生した場合は,次の新たな借入の弁済に当然に充当されるものと考えられています(判例)。




そうすると,この場合も,原告が新たに100万円を借り入れして時点で,残債務が約76万円となることは変わりありませんが,そうすると,残債務を利息制限法の「元本」として,その金額を基準に利率を決めるべきだというわけです。



なお,過払金が発生していないケースで,借入や弁済が繰り返され,元金が増減した場合についてはすでに判例があり(最高裁平成22年4月20日判決),新たな借入によって元金が増えた場合には,適用利率は利息制限法の規定に従い変更されるが(つまり,当初10万円未満の借入であったものが新たな借入により10万円以上となった場合,以降の利率は年率20パーセントから18パーセントに軽減される),弁済によって元金が減少したとしても制限利率が上がることはないとされています。




今回の判決は新たな借入をしたものの過払い金があったために元金が減ったケース,平成22年判決は弁済をしたために元金が減ったケースと整理できるでしょうか。





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