http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130821/t10013928231000.html



 

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、前の内閣法制局長官の山本庸幸最高裁判事が、集団的自衛権の行使を認める場合は、憲法改正によるのが適切だという認識を示したことについて、「極めて違和感がある」と述べ、不快感を示しました。

内閣法制局長官から最高裁判所の新しい判事に就任した山本庸幸氏は、20日の就任の記者会見で、集団的自衛権の行使を巡る政府の憲法解釈の見直しについて、「難しいと思う。見直すのであれば、憲法9条を改正することがより適切だ」などと発言しました。
これについて、菅官房長官は、記者会見で、「率直に申し上げて、内閣法制局のトップを務めて、合憲性の最終判断を行う最高裁の判事が、公の場で憲法改正の必要性にまで言及したことに、私は非常に違和感がある」と述べ、不快感を示しました。
そのうえで、菅官房長官は、「憲法解釈は、内閣を補佐する機関である内閣法制局の法律上の専門的知見を活用しながら、第一義的には内閣が行うものだ」と述べました

(本日付NHK NEWS Webより引用)


裁判官にも政治的な意見を表明する表現の自由があるとはいえ,下級審の裁判官が,所長就任の記者会見でこのようなことをしたら,きっと左遷などのお咎めを受けるのではないかと思いますし,最高裁判事の就任記者会見という公的な場で,このような政治的な発言をするというのはやはり問題があると思います。



裁判所の判断に際しては,抽象的な法律の合憲性については判断しない(訴訟を提起しても却下により門前払いされる),高度に政治的な問題にはタッチしないというルールがあります。




裁判所がこのように政治的な問題について自制するのは(自制しすぎという批判もありますが),裁判所が特定の政治的な意見,見解を表明しようものなら,今回の官房長官からの苦言のように,政治からの攻撃にさらされることになり,混乱をきたすということが一つです。

もっとも,少数派の人権を守るためには政治に対する批判的な判断をしなければならないこともありますが,あくまでも,具体的な事件の範囲でそれを行うということによってバランスを保っているわけです。




それにしても,内閣が進めている集団的自衛権の行使についての憲法解釈にとって邪魔だからと追いやった天下り先が憲法の番人であるべき最高裁の裁判官だったというのは,何か,人事のセンスの悪さを感じるのは私だけではないのではないでしょうか。





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