弁護士が被疑者(被告人)に接見するのは多くは警察署の留置場であったり拘置所であったりすることが多いわけですが,たまに,検事調べの前や勾留質問,公判の前などにどうしても被疑者(被告人)と会って新たな事実を知らせておいたり,注意しておきたいことなどがある場合などには,検察庁や裁判所で接見するということもあります。ただ,時間も決まっていて,あんまりゆっくりと接見することはできません。




東京地検や東京地裁のような大きな検察庁や裁判所では弁護士と秘密交通権が確保された状態で接見できる部屋が用意されていますが,中小規模の検察庁などでは,弁護士と接見するということがそもそも予定されていないのか,そういった部屋自体がないということがあります。




特に,そういった中小規模の検察庁での接見を巡って,検察官とトラブルになり,国賠訴訟にまで発展しているというケースが多いみたいです。





判例タイムズ1388号で紹介された事例(広島高裁平成24年2月22日)は広島地検の事例ですが,解説によると,「面会接見」という概念を認めた最高裁判決(平成17年4月19日)の事件も広島地検のものであったということです。

しかし,広島といえば100万人都市であってそれなりに相当数の犯罪とかもありそうですが,地検に弁護士との面会設備もないのですかね。。今は改善されているのかもしれませんが。




この事件では,何人かの弁護士について、別々の件で検察官の対応に問題があったとして国賠訴訟が提起されましたが,そのうち1件だけが違法であったとして33万円の国賠請求を認めた地裁の判断を維持しています。



国賠が認められたのは,午前9時53分に弁護士が面会を申し込みがあり,その際に弁護士が「同行室(被疑者が警察官と一緒に調べがあるまでの間待機しているところ)での面会でもよい」と言っていたのに,検察官は「同行室は面会を前提としていない」と答えたのみで,同行室の空き具合や面会できる状況かどうかといったことを確認しなかったことに違法性があるとされました。

そして,実際にその後検事が取り調べを始めたのが11時24分ということだったので,その間ずっとまたされた挙句に面会できなかった点に弁護士の精神的損害があるとされたということでしょう。午前中無駄に潰されたわけで,弁護士も相当いらいらしたでしょうね。





面会接見というのは平成17年4月19日の最高裁判例で示された概念です。

検察官が検察庁の庁舎内に接見の場所が存在しないことを理由として同庁舎内に居る被疑者との接見の申出を拒否したにもかかわらず,弁護人がなお同庁舎内における即時の接見を求め,即時に接見をする必要性が認められる場合には,検察官には,捜査に顕著な支障が生ずる場合でない限り、秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の「接見」(面会接見)であってもよいかどうかという点につき、弁護人の意向を確かめ、弁護人がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務があると判示されたものです。





私が司法試験に合格したころや司法修習をしていたころにもこういった考え方自体があったのもかもしれませんが,(私の不勉強もあり)この判例が出るまではこういった概念自体について全く知りませんでした。




ただ,私はこれまで検察官などが立ち会った形での面会接見というものは経験したことがありません。




修習生だったころ,裁判所の支部の刑事事件で,弁護士の先生が裁判所内で被告人と面会したいと希望したところ,その裁判所支部でもやはり被告人と接見できるような施設はなかったのですが,裁判官が「応接室を使ってください」ということで,裁判所内の応接室で手錠腰縄をほどかれた状態の被告人と弁護士先生が接見し,その際,警察官などの立会いがされなかったということがありました。




普通の応接室ですので,花瓶とかそんなものも置いてあったような気がしますし,いつもアクリル板越しの被告人と応接室のソファに座りながら話をしているわけで,すごく不思議な感じがしました。

同行してきた警察官は,接見前に応接室内部のチェックをしたりしたうえで,接見中は,外のドアのところで待機していました。






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