借地関係の有名な最高裁判例に,ゴルフ練習場として利用するために締結した土地の賃貸借契約については,建物(クラブハウス)が建てられていたとしても,主たる目的が建物の所有目的ではないとして,借地法の適用を否定した判例があります(最高裁昭和44年12月5日)。




借地借家法の適用があれば,解約に正当事由が必要となるなど,借地人が大きく保護されますが,法の適用がないとすると,借地人にとって有利な借地借家法上の諸規定が適用されないということになります。



本件(最高裁平成25年1月22日判決)では,ゴルフ場として利用するために締結した土地の賃貸借契約や地上権設定契約について,借地借家法11条に規定される地代減額請求の定めが類推適用されるのかどうかが問題となりました。




本件で問題となったのは,昭和63年にゴルフ場のコースとして締結された賃貸借契約及び地上権設定契約で,平成3年にゴルフ場としてオープンしましたが,経営不振のため,ゴルフ場経営社側が,賃料・地代の減額請求をしました。



土地の賃貸借契約の賃料については,民法上,田畑などの収益を目的とする
ものに限って減額請求が認められていますが,「宅地」には適用されないとされており,ゴルフ場としての利用についても「宅地」に当たるとされています(民法609条)。

また,地上権についても,同様です(民法266条1項,274条)。




しかし,当事者で取り決めた賃料・地代が,その後の地価,税金の高騰下落によって付近の相場とかけ離れた場合には,そのままの賃料にしておくことは妥当ではないという考え方から,借地借家法11条で賃料の増減額請求というものが定められています。



本件で,ゴルフ場側は,この借地借家法11条が類推適用されるのだと主張したところ,2審判決ではこの主張が通りました。

類推適用というのは,条文の規定がそのままズバリ適用されるわけではないが,似たようなケースであるので,同じように処理しようという考え方です。




しかし,最高裁では,本件では類推適用する余地はないとして破棄されました。




そもそも,借地借家法の借地に関する規定は建物の保護,土地の安定的な利用を目的としているところ,本件では,そもそも本件土地上に建物が建てられているということが記録上も窺われず,借地借家法の規定を類推する基礎を欠くとされました。





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