弁護士費用の敗訴者負担

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先月はブログの更新をほとんどまるまるお休みしてしまいました。

ぼちぼち自分のペースで再開しようと思います(;^_^A



先日の報道で,裁判などの司法手続きは費用が高すぎて市民が利用しにくいので,手数料の引き下げや公的な支援の充実を求める提言を学識経験者らでつくる「民事司法を利用しやすくする懇談会」(議長・片山善博慶応大教授)が29日の会合でまとめたということが記事になっていました。




ここで言っている手数料の引き下げというのは,訴訟提起時などに裁判所に納付する手数料のことですが,まあ,私のようなマチベンの感覚からすると,「それほど高いかな」というのが正直な感覚ではあります。

1億円の請求事件ですと32万円の手数料になり,それなりの負担感がありますが,そうしょっちゅうそんな請求額の事件があるわけではないですので。

なお,1000万円ですと5万円が裁判所に納付する手数料になりますが,そんなに高いですかね。




手数料引き下げたとしたら,ちょっとした慰謝料請求事件でも,「とりあえず請求しとけ」ということで,1億円くらいの請求が増えるようにも思います。




むしろ,普通の方にとって負担感があるのは,やはり依頼する弁護士に対して支払う報酬ではないかと思います。請求額300万円くらいの訴訟であっても,通常は20万円,30万円の着手金(勝っても負けても戻ってこないまさにリスクマネー)を支払うのが普通です。




たまに聞かれるのが,支払った弁護士報酬は相手から取れるのかということです。弁護士費用の敗訴者負担の問題といいます。




現在のところ,自分が依頼した弁護士報酬を訴訟で負けた相手方に負担させるということはできません。

100万円の請求額の訴訟を30万円支払って弁護士に依頼し全部勝訴したとしても,相手から取れるのは100万円だけであって,弁護士に支払った30万円は相手からは回収できません。

なお,交通事故などの分野では,弁護士に依頼しなければ訴訟することは困難だという理屈で,請求額の1割程度が弁護士費用相当分の損害として認められることになっていて,100万円の損害ですと110万円が相手から取れる損害賠償ということになります。実際に支払った弁護士報酬が30万円だとしても取れるのは1割が限度になります。




「弁護士費用の敗訴者に負担させればいいじゃん」,という考え方もありますが,その場合,実際問題としてはどんな問題が起こるのですかね。

弁護士に支払った金額の証明として,弁護士との委任契約とかを証拠として提出するということになるのでしょうか。。そうすると「うわあ,この弁護士,100万円の請求額の訴訟で80万円も着手金取ってるよ」とか,バレバレになるのでしょうか。この点で,先日,損保会社の弁護士費用特約についての問題が取り上げられていましたね。

また,依頼者と弁護士が結託して,高額の弁護士費用を支払う(支払った)ことにして後でキックバックする・・とか,悪く考えればいろいろ出来そうです。

結局のところ,裁判所が相当と認めた金額に限るという形でブレーキをかけていくことになるのでしょうが,「いくらで契約しようが国(裁判所)には関係ないだろうが」という問題もはらみます。



と,まあ何とも下世話なことしか言えないのですが,弁護士費用の敗訴者負担には,社会的弱者に訴訟提起を委縮させる効果があるんだとか,いろいろと 高尚なお話もあるので,知りたい方は下記のリンク先などもご参考ください。




弁護士費用の敗訴者負担についての愛知県弁護士会のQA

http://www.aiben.jp/page/frombars/topics2/156haisosha.html






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