偽証教唆の被疑事実で逮捕され,一旦は勾留が認められた弁護士について,準抗告を受けた岐阜地裁が勾留を取り消したということが報道されています。




勾留請求自体が却下となったり,準抗告で取り消されたりすることは確率的には非常に低いので,珍しい部類に入るといってよいと思います。



そもそも,しっかりした身元引受人がいたりしても,否認しているとほとんどの確率で勾留が認められてしまっているというのが現場の感覚で,強い批判を浴びているところです。




今回の件では,準抗告を受けた裁判所もしっかりと判断してくれたということなのでしょうが,報道での被疑事実を見る限り,弁護士が被告人が書いたメモを人づてに見せたということになっているようで,そもそもわざわざアシがつくようなそんなメモを見せて偽証を依頼するというのも不自然な気がするし,そんなメモを警察の留置係を一旦通して宅下げしてもらうようなリスクを冒すのかということもあり,不自然な感じが漂っています。




そんなところも,裁判所の判断に影響を与えたのかもしれませんが,メモを介してというのではなく,関係者の供述だけで自然な感じでぴたりと合致してしまっていたとしたらどうだったかと思います。




ちなみに,今回の件では,弁護人を務めていた被告人の公判の証人との事前の接触があったということのようです。




証人尋問の前には,敵性証人の住所や氏名は弁護人に対しても開示されるのですが(刑訴法299条1項),弁護人から連絡を取って事前に話しを聞くということはほとんどしません(報道によると,本件弁護士側の話しでは,今回の件は,証人の方から「どうしたらよいのか」と連絡が来て,「偽証はよくない」と話をしたということです)。

否認している被告人の中には「誠意を尽くして話をすれば絶対にわかってくれるはずだ」とか言って,敵性証人に事前に弁護人から「本当のことを話してほしい」というような手紙を出したり,会ってほしいというお願いをしてくる人もいます。

テレビドラマや小説の世界ではそれもアリかもしれませんが,敵性証人に対して弁護人が接触して

「あなたはウソを言っている」

「本当なことを話してほしい」

「それで本当にいいんですか!!」

「ウソをつき通しても決して天国のお父さんは喜ばないぞ!」

などとやってしまうと,証人威迫罪(刑法105条の2)などに当たるなどとして言いがかりをつけかねられないのです。

もっとも,この点については,刑訴法上,証言前に敵性証人の氏名,住居を知る機会が与えられている以上,そのような働きかけを行ってもよいのだ,むしろ行うべきだとする考え方もあるにはあるようです。




国選の刑事事件などで暴力団関連の案件を扱うと,わらわらと訳の分からない人間から電話がかかってきたり,面談を求められたりすることがあるのですが,注意しないといけないなと改めて思いました。



しかし,一部の新聞では逮捕後に「とんでも弁護士」とか報道したようですが,事実も確定していない捜査段階でひどい見出しを付けるものです。無罪推定もくそもないなと思います。





■ランキングに参加中です。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村



■着手金の簡易見積フォーム
(弁護士江木大輔の法務ページに移動します。)


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。








コメント(1)