昨日,書店を覗いたら置いてあったことから購入しました。





弁護士江木大輔のブログ




会社の破産事件を扱うと,未払賃金の立替制度を利用することがあります。

記載の仕方など細かいところがありなかなか大変なのですが,とてもありがたい制度です。




中小企業の中には,退職金規定はないが慣行として退職金を支給している,賃金の算定の仕方もあいまいである,形式上は従業員としてではなく外注という形になってはいるが実態は雇用契約である,役員にはなっているが実態は従業員であるなど,一筋縄ではゆかない所もあるのですが,事情を丁寧に説明することである程度は柔軟に対処して頂けます。



もっとも,特に最近は,機構の審査が厳しくなったような印象がありますが,この本の中でも紹介されていた不正受給の事件が契機になったようです(本書籍144ページ)。以下の概要は,書籍該当ページからの引用になります。




事案の概要としては,平成21年2月に破産手続が開始された建設関係の会社について,暴力団関係者が労働者17名に未払い賃金があったように装って約3000万円を詐取したという事件です。実際には全くのペーパーカンパニーで労働者も実在していなかったという悪質極まりない事件でした。




平成21年3月には,破産管財人が証明書を発行し,5月には機構が立替払いを実行しています。




機構では,労働者の中に賃金が月額50万円という高額の者が含まれていたことから破産管財人に対して問い合わせしたところ,破産の申立代理人が作成した「重機の運転資格者であることから賃金額を決定した」という報告書を根拠として証明した旨を回答し,機構もそれを受け入れていたということです。




しかし,その後,別件の詐欺事件を捜査していた警察が,被疑者の口座に未払賃金の立替払いの入金があることを発見し機構に照会したため,本件詐欺が発覚し,平成23年1月に関係者21名が逮捕され,うち首謀者6名が起訴され,全員に有罪判決(懲役6年などの実刑を含む)が下ったということです。





私も,破産の申立代理人として立替払いを申請した件では,機構から「この従業員の賃金が他の者より高いのはなぜか」「交通費の支給額が途中から変わっているのはなぜか」といったことなどをいくつも尋ねられ,その都度,資料を見たり代表者に聞き取ったりして管財人や機構に説明しています。




前記したように,中小企業の場合,きっちりと規定に基づいて事務していないこともあって,なかなか大変なのですが,本件事案のように全くのペーパーカンパニーで労働者の実在すらないというのは,特に申立代理人としてはいかがなものかと思ってしまいます。





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