私が弁護士になって一番最初にやった案件というのは,ペットが獣医の医療ミスで死んでしまったということで慰謝料請求したいというものでした。



正直,何をどうしてよいのか分らず,ペット=物なので慰謝料請求はできないのではないかとか,治療中のカルテの保存のために証拠保全するのかとか,ペットの医療ミスについても裁判を起こして医療集中部で扱ってもらえるのか,,とか,今から考えると,ずいぶんと大上段な構え方をしたように思います。




結局のところ,ペットを失った依頼人の気持ちを獣医側に伝えるとともに,依頼人に対しては,依頼人の気持ちと現実的な見込みといったものをよく話し合いながら,妥当な線で折り合いました。

といっても,私がしどころもどろになりながら,四苦八苦していたのに対して,ボスは電話一本で依頼人を説得して獣医からの提案を伝えたうえで依頼人に納得してもらっていましたので,「自分にこんな仕事ができるのだろうか」と不安になったことを思い出します。




私が弁護士になって初めて送ったファクスは「書類送付書兼受領書」という書類の返送でしたが,正直,何の書類なのだかよく分りませんでした。

修習生の時に事務員さんや書記官の事務をよく見ていればこんなことにはならなかったのでしょうが,これは,相手方から送付されてきた書類を確かに受け取りましたという証拠のような書類です。

ボスに付き添ってもらいながら送信しました。





また,どの世界でもそうですが,その世界の人間でなければ分らないようなルールやしきたりというものがあります。




期日の当日相手方から提出された書類については,裁判所に提出された正本に受け取りましたという意味で,その書類上に署名を求められることになっています。




一人で法廷などに出かけるようになった初めの頃,裁判官から「じゃあ,サインしてください」と言われて,相手方が裁判所に提出した書類を私の目の前に突き出されたのですが,正直,何を求められているのか分りませんでした。別に署名する欄があるわけではないし。。





「ええっと・・・」と私が戸惑っていると,裁判官が「ここにサインして」と言ってくれたのですが,私は大事な裁判所の書類にサインなんてしてしまってよいのかどうかよく分らなかったので,「えっと,ボールペンでいいんですか?」とか今から考えるとど素人な質問をしてしまいました。





会社や学校など新しい環境になった人も多いと思うのですが,誰でも最初は分らないことだらけ。

分らないことははっきり聞くなりして,堂々とふるまったらよいのではと思います。









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