衆院選に関する無効判決

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昨年の衆院選の一票の格差に関する高裁判決も出そろったということで大きな話題になっています。




私があれ?と思っているのは,報道などでは,訴訟となった31選挙区のみの選挙が無効となったということであり,訴訟になっていないその他の選挙区には影響しないということのようですね。

そして,仮に無効となった選挙区選出の議員が国会の議決等に参加していたとしても,議決自体が無効になるわけではないということのようです。





ただ,私が司法試験を勉強していたころのうっすらとした記憶では,一部の選挙区のみが無効ということになるのではなく,全体としてすべての選挙区の定数規定が無効なのであり,全体として選挙自体が無効となってしまい,結局,議院を構成するすべての議院の資格がないということになり,そこで議決された法律などもすべて無効になるという強烈な効果があるということであったかと思うのですが。。。








かすかな記憶をたどって調べてみると,この点に触れた最高裁の昭和51年4月14日大法廷判決というのがあり,多数意見では,次のように述べられています。

『選挙区割及び議員定数の配分は、議員総数と関連させながら、前述のような複雑、微妙な考慮の下で決定されるのであつて、一旦このようにして決定されたものは、一定の議員総数の各選挙区への配分として、相互に有機的に関連し、一の部分における変動は他の部分にも波動的に影響を及ぼすべき性質を有するものと認められ、その意味において不可分の一体をなすと考えられるから、右配分規定は、単に憲法に違反する不平等を招来している部分のみでなく、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである。』





この判決の反対意見では次のように述べられています。

一部選挙区について投票価値不平等の違憲の瑕疵があるとしても、その瑕疵が、多数意見の説くように、必然的に他の選挙区全部について違憲の瑕疵を来すものとは考えないのである。





もっとも,この判決で当事者が求めたのは千葉1区の選挙無効のみであり,判決自体は千葉1区の選挙の違法についてのみ確認しています(選挙無効については棄却)。




つまり,法的に確定されるのは一選挙区のみの選挙の違憲無効ということですが,昭和51年の最高裁の多数決意見に従えば,その他の選挙区すべてについても違憲無効であるということになるので,その後提起される訴訟によって結局,すべて違憲無効が確定してゆくということになりそうです。





しかし,考えてゆくと頭が混乱しますが,一部の選挙区のみ選挙が法的に違憲無効になったとしても,最高裁の多数意見の考え方に従えば,その他の選挙区も違憲無効ということなのですから,そのような選挙で選出された議員のように見える人たちにより議決された法律のように見える決まりの合憲性を争った場合には,そもそも法律ではないので,そのような決まりは無効ということになるのではないかと思うのですが。。

全部の選挙区の違憲無効が法的に裁判所によって確定されているわけではないから,やはり,有効ということになるのでしょうか。






うーん,分らないですね。







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