判例時報2174号で紹介された事例です(東京地裁平成24年8月10日)。



昭和14年生まれの女性に対して,水に関する権利を購入すれば別の会社がもっと高い価格で買い取るといった典型的な組織的詐欺商法でお金を巻き上げた事件について,そのような詐欺商法を起こったインチキ会社の法人設立,法人名義での銀行口座の開設に関与した者に対しても,詐欺的商法を行った者との共同不法行為責任を認めて約2343万円の損害賠償を命じたという事例です。



本件での被告の主張は,知人から「名目上,会社の代表取締役となる者を紹介してほしい」と頼まれて,4名ほどを知人に紹介したうえで,会社を設立したり銀行口座を開設したりしたが,その際,被告がそのような手続きを行わせたということです。そして,10社ほどの会社を設立し,名義人から開設した口座の通帳等を受け取って知人に渡したり,レンタルオフィスの契約を締結させたり,出資金を入金する手続にも関与していたり,知人から紹介料を受け取ってその一部を名義人に渡していたりという関与があったと認定されています。




裁判所は,知人からの依頼であったとしても,そのような行為をした以上,「単なる名義人とは責任の程度が決定的に異なり」,詐欺的商法に加担したのと同等の責任が生じるとしています。





オレオレ詐欺や闇金融の事案では,携帯電話や口座の名義人が何も知らない人であったり,闇金融の被害者であった人が闇金融に脅されて契約させられていたりといったことがあったりします。




このような場合に,名義人に対して訴訟を提起したりするという方法もあるのですが,決まって「自分は知らなかった」とか「自分も被害者で・・・」といった抗弁が出ます。



本件の裁判所の判断では,「単なる名義人とは責任の程度が決定的に異なり」とありますので,関与の仕方を具体的,実質的に検討するという判断枠組みになっています。



本件は確定しているとのことです。

ただ,判決で勝ったとしてもきちんと回収できるかどうかが問題なのですね。。








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