判例時報2172号で紹介された事例です(横浜地裁平成24年10月30日)。




本件で,死亡したのは当時3歳の男児でした。




裁判所の認定によると,もともとの始まりは,顔面の湿疹などにより通院した男児を診察した医師の所見により,体重が減っており何が食べられているのか父親に確認しようとしたところ,「そんなことを聴くのはおかしい」などと怒りをあらわにするなど,おかしな対応をしたことでした。




その後も,男児に外反足,下腿の変形など,くる病という病気,しかもかななり重い症状である疑いも見られたことから,入院やCT検査なども進めたが,両親はそれらを拒否したため,説得を重ねて,何とかCT検査や入院にこぎつけたものの,「入院する必要はない」「明日退院させる」というアクションがあったことから,病院側はこのまま戻してはいけないと判断し,児童相談所に児童虐待として通告しました。




児童相談所は,児童虐待と判断し,男児の一時保護をすることとしました。




ところが,児童相談所側は,男児に卵について強いアレルギーがあることを知っており職員にも周知徹底されていたのに,職員が誤って卵を含む食物を与えてしまったことから,男児がアナフィラキーショックを起こして死亡してしまいました。



男児の両親から,児童虐待の通告をした病院,児童相談所を管轄する自治体に対して,①虐待通告をしたことや一時保護の決定をしたこと②誤って食べ物を与えたことを理由として,損害賠償請求が提起されたのが本件です。




裁判所は,①虐待通告をしたことや一時保護の決定をしたことについては,両親が適切な監護をしていなかったことを認めて,通告したことや一時保護したことに違法性はないとしましたが,②誤って食べ物を与えたことについては,児童相談所の職員に過失があったとして,両親に対して合計約5000万円の損害賠償を命じました。




本件は控訴されています。

なお,両親側は虐待の事実は争っています。




■ランキングに参加中です。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村



■着手金の簡易見積フォーム
(弁護士江木大輔の法務ページに移動します。)


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。