オウム死刑囚を証人申請

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【平成7年の東京・目黒公証役場事務長、仮谷清志さん=当時(68)=の監禁致死事件に関与したなどとして、逮捕監禁罪などで起訴されたオウム真理教元幹部、平田信被告(47)の裁判で、東京地検が、井上嘉浩(43)、中川智正(50)両死刑囚を含む複数の教団元幹部の証人尋問を東京地裁に申請したことが20日、関係者への取材で分かった。今後、地裁が可否を決定する。死刑囚への証人尋問が行われれば極めて異例だが、検察幹部は「仮に認められても、拘置所での非公開の出張尋問になるのではないか」としている。】(3月20日配信の産経新聞オンラインの記事から一部引用)



地下鉄サリン事件からもう18年も経ったのかという気持ちですが,当時はまだ大学生で,数日前から友人と上野発の夜行列車で金沢,京都方面を巡りながら,京都で友人とは別れて,事件発生当日は米子駅にいて,駅のテレビで事件が報じられていたのを眺めていたという記憶です。



上記記事の検察幹部のコメントに,拘置所での非公開での尋問になるだろうとあります。





憲法82条によって裁判は公開が保障されていますが,非公開で証人尋問することが許されるのかといいう疑問が湧きます。




この点,憲法で公開が保障されているのは「対審及び判決」の手続ということになっていて,さらに,ここでいう「対審」というのは,公判期日での公判廷での手続のことを指すとされています。





通常,テレビドラマなどでイメージされる法廷での証人尋問は,公判期日における公判廷での尋問ですので,公開されています。





ただ,公判期日ではない期日に公判廷で証人尋問すること(刑訴法316条)や公判期日外で公判廷外で尋問すること(刑訴法156条 出張尋問・今回の拘置所での尋問がこれにあたります)は,あくまでも公判準備として行うものであり上記「対審」には当たらず,非公開で実施しても憲法に違反しないというのが裁判所の一貫した立場です。




確かに,拘置所とか病院とかでの尋問を一般に公開しなければならないとするのでは支障が生じるでしょう。




また,公判準備として行った尋問の結果は必ず公判期日に公開の公判廷に検出され,後で検証可能になるので,問題ないということになっています。





もっとも,衆人環視のプレッシャーの中で証言するということに意味があるようにも思うので,今回の件についても原則としては公開の公判廷できちんと尋問すべきだと思います。




被告人,弁護人の出廷が無ければ公判期日は開くことができませんが,出張尋問などは公判期日ではないので,被告人,弁護人がいなくても実施することができます(出席して尋問する権利はあります)。勿論,普通は弁護人は必ず同席しますが。




また,公判期日外での公判廷外での尋問については受命裁判官といって裁判体の構成員の一部にのみ行わせることができます。公判期日外の公判廷での尋問については受命裁判官によって行わせることはできないとされています(判例)。








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