後見事件の受任

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東京家裁から「後見人をお願いしたい案件がある」という連絡が直接入ることがあります。



こういうのを一本釣りと言います。裁判所に信頼されているようで,結構嬉しいものです。



何年か前まではすべて一本釣りでした。




最近は,家裁から弁護士会に対して推薦依頼をかけて,弁護士会が名簿に基づいて推薦するという形式になりました。これを団体推薦と言います。

裁判所から直接感謝されることもないような気がして,あまり有り難みがなくなりました。



弁護士会では,研修を履行しているとか賠償保険に加入しているなどの要件を備えていることが推薦の要件になっていて,その中から弁護士を家裁に推薦しています。



そういうわけで,最近はあまり一本釣りというのはないのですが,それでも完全に無くなったわけではありません。

親族対立などが激しくて引き受け手が見つかりにくい案件,審判前の保全処分が必要な急ぐ案件などについては,多少時間がかかる団体推薦ではなく,家裁からの一本釣りというルートも生きています。





団体推薦にしても一本釣りにしても,打診を受けた弁護士は,家裁に行って記録を閲覧することができます。




これは,事案の中身を見て自分にできそうかどうか判断するため,というわけではなく,利害関係があるかどうかを確かめるために行われています。




勘違いしている弁護士もいるのですが(てゆーか,私も勘違いしていました),利害関係がないのに,事案の内容を見てものすご過ぎる対立案件であることに尻込みして断るということは事実上NGです。

事実上というのは「利害関係がある」とウソをつかれてしまえば,家裁には分らないからです。




でも,基本的に弁護士に振られる後見案件というのは,団体推薦であれ一本釣りであれ,あまり楽な案件というものはないことが多いので,楽な件だけしたいと思っている弁護士は事実上後見案件を受任するようなことはできない筈です。




記録閲覧をすることは義務ではなく,打診の連絡があったらすぐに引き受けることも可能ですが,後で利害相反があったりすると面倒くさいことになります。




そんなことがあるのかということですが,私は,これまですべての件で記録閲覧をしており,これまで一件も何の関係もない案件ばかりでしたのですべて引き受けてきましたが,先日,念のためと思って記録を見たところ,以前に一回だけ某社協の専門相談で相談を受けた記憶がかすかに残っている案件でした。




利害関係というものは別にありませんが,関係者が対立している件でしたので,私がそのまま後見人を引き受けてしまって,後から「あの後見人は社協で相談した弁護士だ」というようなことを言われると,対立している立場の人からすれば「後見人と顔見知りなのか」ということで疑念が残ってしまい,後見人の公正中立な立場というものが危うくなります。




そういうわけで,その件は初めて受任をお断りしました。








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