松本清張原作の小説に「霧の旗」というのがあります。

 

 

私も以前読んだことがありますが,あらすじとしては,おおよそ次のようなものです(出典:ウィキペディアよりhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%A7%E3%81%AE%E6%97%97 )。

「九州の片田舎で発生した、金貸しの老女の強盗殺人事件。被害者から金を借りていた教師の柳田正夫が、犯人として検挙された。柳田は、殺害現場での借用証書の窃取は認めたものの、殺人に関しては無罪を主張する。しかし、殺人の物的証拠が揃い十分な動機も認められた状況の中で、柳田の主張は受け入れられず、国選弁護人も状況を覆すことはできなかった。思いあまった妹の桐子は、高名な弁護士の大塚に弁護の依頼を申し出るが、拒絶される。やがて、無実を訴えながら獄中で非業の死を遂げた兄のため、桐子がある行動に出る。」

 

 

 

テレビドラマでは何度かリメークされているようで,先日,市川海老蔵版のものを再放送していましたので見ましたが・・・

 

 

 

 

 

 

・・・おいっ やっぱりおかしいだろ。。

 

 

 

 

 

 

弁護を断られたからと言ってその弁護士を恨んで,その弁護士の人生を狂わせるなんて,おかしすぎです。

 

 

 

 

 

 

「それが小説の面白さだよ」ということかもしれませんが,現実的には,弁護を引き受けた後に業務遂行の仕方が宜しくない又は誤解されて攻撃されるといことは多々あっても,「依頼(弁護)を断ったから」という理由で攻撃されるということはなく,リアリティに欠けます。

 

 

 

 

 

 

だいたい,恨むのであれば,依頼を断った弁護士ではなくて,無実なのに,有罪に持ち込んだ捜査機関や裁判所を恨むのが筋なのでは。。

 

 

 

 

 

 

小説を読んでも,ドラマを何回見ても納得できないあらすじで,松本清張自体は好きなのですが,これはちょっとどうかといつも思ってしまいます。

 

 

 

 

まあ,断り方というのはあるかもしれませんね。

 

 

 

事案の内容からして引き受けられない内容である場合,内容に照らしてあまりにも低廉な弁護士費用しか出せないという場合,忙しいので今は受けられないという場合・・・依頼を断るケースというのはいくらでもありますが,高飛車に断ったり,まるで依頼してきた方が悪いかのように人格的な非難をしたりというのでは,確かに恨まれるというのもあるかもしれません。

 

 

「霧の旗」では九州の片田舎で発生した刑事の否認事件(一審が国選事件)を東京の弁護士に依頼しようとして断られたというのですから,十分な弁護活動ができないということで,断る方もそれはある意味親切というものでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

まあ,小説相手にあまりムキになっても仕方ありませんが・・・(;^_^