毎月1回,日弁連から「自由と正義」という会報が送られてくるのですが,私を含めて,まず真っ先に懲戒公告欄を見るという弁護士は多いものです。




人のふり見てわがふり直せではありませんが,他の弁護士がどんなことで懲戒となってしまっているのかというのは,やはり,興味が湧くというものです。




今月もいくつか懲戒事例が載っていましたが,相続分野が3件もありました。





そのうち1つは,相続人や受遺者から遺産分割の手続について共同して依頼を受けたが,途中で依頼者間に利害対立が生じたのにそのまま業務を続けたという,弁護士会などで行われる弁護士倫理の教材の典型例のようなケース。

ただ,別に弁護するわけではありませんが,このような依頼の際には利害対立は発生していなくて,潜在的に利害対立の可能性はあるような場合には,複数の依頼人からの依頼を受けるということはないことではなく,弁護士としてはなかなかつらいところではあるのです。このケースでは,利害対立する事態が発覚してから約3か月後に解任ということになっており,おそらくなのですが,その間に,色々と調整をしようとしたのではないかとも推測できます。
勿論,そのような調整を一人の弁護士がしようとすこと自体が問題なのだということもよく分るのですが。




残り2つは,いずれも,遺言執行者となった弁護士が,相続人に対して,民法で決められた相続財産目録の作成や交付,遺言執行業務の報告の義務を怠ったというもの。

これも,よくある懲戒事例のようです。

そのうち1件は,遺留分がない相続人に対して目録の交付をしなかったということですが,遺留分がない相続人に対しても目録の交付義務があるとされています。




相続の分野というのは,弁護士懲戒が起こりやすい分野とされています。




私なりに思うのは,相続の分野というのは,単に遺産という財産を争っているというよりも,根っこにある昔からの感情に起因していることも多いので,その感情が弁護士に向いてしまった場合,懲戒請求という形になりやすいということもいえると思います。





遺言執行者の立場についても,遺産をもらえない人からすると,そのような遺言を執行しようとする弁護士に対しては良くない感情を持つことも多いのでしょうから,攻撃対象になりやすく,遺言執行者に就任するかどうかはよくよく考えてからにした方が良いなどといわれています。





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