裁判所の判決文というと悪文の典型という人もいるほどで,一般人からすると,一文が長くて分り難い,堅い,くどいなど,さんざんな評価がされるのが普通です。



家裁月報64巻12号で紹介された福岡高裁の決定文では,17歳の少女本人から抗告がされたという事情も踏まえて,少女本人に対する手紙のような文章になっています。



本件では,窃盗したということで家裁で中等少年院送致となった17歳の少女から抗告があり,高裁が棄却したものです。以下,表現はそのままで要旨です。




「君が提出した抗告申立書を読むと,抗告した理由の要点は,家に帰りたくない,お父さんに会いたくないなどと思っていたけれど,審判が終わってから改めて考えてみると,これまで色々な人に迷惑や心配をかけてきたのは本当に申し訳ないと思っているし,これからは,お父さんのいうことを聞いて家出や夜遊びをせず,悪い人とも付き合わずに自分の夢に向かってしっかり勉強したいので家に戻りたい,というものだと思います。」



「そこで,君の言い分も考えに入れて検討しましたが,私たち福岡高等裁判所も,君を中等少年院に送致することにした福岡家庭裁判所の判断は正しいものと考えました」



「これまでの君の行状を見てみると・・・・勉強はあまり得意ではなかったようですし多少の問題行動はあったようですが・・・・高校に入るとすぐに不良グループと遊ぶようになり友人に暴力をふるったり,・・・1学期だけで退学してしまいました。」




「君は,もともと,自分の思い通りに行動したいという気持ちが強く,自分の気持ちや行動を抑えることがかなり難しい性格のようです」




「君は,一度思い込むとなかなか考えを変えることができません。」




「君は家出中に覚えてしまった気ままな生活が楽しくて忘れらないようですし,本当のことを教えてくれなかったお父さんに対する反発心も簡単には消えないみたいです」




「君が今のまま家に戻れば,お父さんたちが君の立ち直りに協力してくれたとしても,君自身はそれをわずらわしく感じて・・・・・結局,非行に関わってしまいかねないのです。」





「少年院の中で規則正しい生活を送りながら,少年院の先生方から,君の能力に応じた丁寧な指導を受け・・・・・・悪いことには決して関わらないという強い気持ちを持つ必要があります。」




「このような理由から,君の言い分を聞き入れることはできないと考えました」





「そこで,少年法33条1項により,主文通り決定します。」




裁判所の気持ちが少女に通じたでしょうか。





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