少し前に話題となった件の最高裁判決(平成24年7月9日)ですが,判例タイムズ1383号などで紹介されていますので,記事にします。



この件は,全くの他人が解説していた児童ポルノに該当する画像があるページのURLを自分の頁ホームページ上に明らかにしたことが,児童ポルノ処罰法の正犯に該当するとして有罪とされた事例です。正犯というのは,法的評価としては,被告人自身が児童ポルノをアップしたのと同じ評価を受けるということです。なお,ほう助犯というのは,他人の犯罪行為を助けるという意味で,正犯よりも刑事責任としては軽いと評価されます。



本件で,被告人は,URLをそのまま張り付けて,いわゆるリンクを張ったのではなく,URLの「bbs」という部分を(ビービーエス)とカタカナ表記して,「漢字は英単語に,カタカナはそのまま英語に,漢数字は普通の数次に直してください」

と付記していました。

不完全のリンクというのは,某掲示板でも「http・・・」の部分を「ttp・・・」にして張り付けてあるというのが良くありますね。




当該児童ポルノにアクセスしようとするためには,一旦,不完全のURLをアドレスバーに張り付けたうえで,正しいものに変換して入力するというひと手間かけなければならないということになります。




裁判所は,一審から最高裁まで,一貫して,被告人の行為は,児童ポルノを公然と陳列した行為の正犯に該当すると判断しました。

不完全とはいえ,URLを入力し直すことは簡単であって,自分自身が児童ポルノをアップしたのと変わらないということです。




ただ,最高裁では,ほう助犯として評価すべきではないのかという反対意見が付きました。




被告人の行為は厳しく非難されるべきであるとしても,「あの人が児童ポルノを持っているよ」と教えた行為というのは,ほう助犯にとどまるのではないかというわけです。

反対意見は,不完全なURLを表示させたことについて問題にしているというよりは,既に第三者によって公然陳列されている児童ポルノの所在場所の情報を単に情報として示すだけでは不十分であるという面から指摘をしています。






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