金融・商事判例1404号などで紹介された事例です(東京地裁平成24年9月11日)。



株式会社の株主総会は,株主総会の招集手続または決議方法についての法令違反がある場合には,株主などから裁判所に訴えることにより取り消してもらうことができます(会社法831条1項)。ただ,違反の事実が重大ではなく決議に影響を及ぼさない場合には,裁判所は総会取消の請求を棄却することができます(同条2項)。




本件では東証マザーズ上場の株式会社の臨時株主総会の取消が争われた事案です。




会社側の提案議題の一つが監査役1名の追加選任の件で,総会で可決されましたが,監査役を選任する議案を総会に提出するためには,会社法の規定で監査役(複数の場合はその過半数)又は監査役会の同意が必要とされていますが(会社法343条),総会取消を求めた株主等の原告側は,この監査役会の同意がないのに総会に議題として提出されたのは株主総会の招集手続の違反に当たると主張しました。





裁判所は,監査役会の同意がなかったという原告側の主張については認めました。

会社側は2回の監査役会において同意があった主張しましたが,1回については監査役会議事録を証拠として提出されかったことや,もう1回については監査役会議事録の誤った開催時刻が記載されていたことや原告側が主張する監査役会の招集を通知する電子メールの送信がなかったことについて会社側が特に反論もしなかったことなどから,いずれにおいても監査役会の同意はなかったと判断しました。




しかし,当時いた監査役3名の内の2名の監査役は結局監査役選任の議題の付議に同意または追認していることなどから,少なくとも本件の事情においては,違反の事実が重大ではなく決議に影響を及ぼさないとして取消請求を棄却しました。




そのほか,本件では,取締役会の決議の方法という論点について,挙手,起立,投票等の採決の手続が取られなくとも,必要な議決権数に達したことが明白になれば,表決が成立したものと解すべきところ,出席取締役の過半数が当該意見を明示または黙示に表明し,当該意見が確定的なものであったと認められるから,当該意見についての表決が取締役会において成立したものと認められるといった判断もされています。




また,本件では,株主提案として取締役の選任が付議されましたが,候補者の一人は弁護士でしたが,取締役会の意見として年齢は34才でありその経験期間が2年強であることから反対という意見が述べられ否決されています。










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