家事調停に代理人は必要か

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家事事件は訴訟の前に調停をすることが前提となっていることが多く,離婚事件や遺産分割絡みの事件の多くが,調停をすることとなっています。



日本では,司法手続は弁護士強制主義になっていないので,訴訟もそうですが,家事調停においても,当事者本人で行うことができます。



ただ,家事調停で代理人を付ける場合には,原則として弁護士でなければならないということになっています。



調停で代理人(弁護士)を付けた方が良いのかどうかというのは,よく聞かれる質問です。



これから調停を起こそうという場合に相談に来られる方もいれば,調停を起こされたので代理人(弁護士)を付けた方が良いかどうかという相談もあります。

或いは,既に調停が始まった段階で,どうにも調停委員との折り合いが悪いなどの事情で途中から代理人を付けたいがどうかという相談もあります。




調停と言っても,遺産や遺留分の複雑な計算が必要であったり,弁護士の人的な資源を使って不動産などの遺産の評価を行う必要がある案件,DVのような問題があって弁護士が間に入る必要がある案件などについては,代理人として弁護士を付ける必要性が高いものと言えます。



しかし,そのような事情があんまりない案件でどうするかということはよく問題になります。



弁護士的に言うと,「調停はあくまでもお話し合いの場であって,言いたいことを言って,納得がゆかずダメなら決裂すればよいのだから,調停は当事者のみでおやりになったらよいのではないですか」ということになると思います。

現実にこういうアドバイスをしている弁護士も多いはずです。

というのも,調停であっても,弁護士に委任すれば報酬が発生するので,自分でやった方が安上がりだからです。

実際,家事調停で弁護士が付いているケースというのはそんなには多くない筈です。




それでも,「調停とはいえ弁護士に依頼した方が良いのではないか」と相談してくる人というのは一定数います。




その理由は様々ですが,次の2つが多いような気がします。

①調停委員が威圧的で怖い,相手の味方ばかりしている

②調停案を提示されているが,本当に乗っていいのかどうか不安だ



①については,相談者の主観による部分も大きいので本当がどうかは分りませんが,調停委員のチェンジというのは認められないですし,「頑張れ」「納得がゆかずダメなら決裂すればよいのだから」と言うしかないです。



②については,一つのアドバイス方法として,弁護士を付けるまではしなくとも,調停案を持ち帰って法律相談で弁護士に相談するというものがあります。

ただ,弁護士というのは,自分が代理人でもない案件について,「これで大丈夫です!」という太鼓判は押さないものです。とりわけ,時間が決まっている単発の法律相談でいきなり調停案を示されて「これでよいかどうか」と言われても,なかなか難しいものです。

裁判所も調停では当事者の意思を尊重しようという姿勢が強いので,仮に調停案というのが裁判所からのものであったとしても,当事者の主張を足して2で割ったようなものになっていることが多くて,根拠もあいまいであったりすることも,当事者の不安を掻き立てるようです。



ですので,②の場合には,自分の納得のためにも代理人を付けるという選択肢もよく考えた方が良いのではないかと思います。







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