怖いですね。


これらの件で,もしも自分が弁護人や付添人だったらどうするだろうかと考えてしまいます。


パソコンから脅迫メールが送信されたという「物的証拠」は残ってしまっているわけで,弁護人とはいえまずは一旦本人の弁解を「疑った」上でよく事情を聞くと思います。


依頼人の主張を「疑う」(「疑問に思う」と言い換えてもよいと思います)というのは別に悪いことではなく,弁護士が疑問に思うことはほかの人も疑問に思う筈で,疑問に思ったことは依頼人のためにも先に聞いておくべきだからです。このように前置きしてあげれば,依頼人との関係を崩すということもないことがほとんどです。


そのうえで,「成りすまし」の可能性が疑われた場合,どうするのか?


調査する能力や知識もない弁護士としては,どこか専門のところに依頼して調べてもらうということになりますが,そもそも,パソコンは捜査機関に押収されてしまっていることが多いので,頭を悩ますことになります。弁護人として捜査機関に対して調査を求めることは当然ですが,これだけ問題が認識された今では捜査機関も調べるのでしょうが,この問題が発覚する前にどこまで真剣にやってくれたかは分らないと思います。「調べたけど何も出なかった」と言われてしまえば,パソコンが手元にない以上,その時点では追及できません。



仮に,パソコンが手元に残っていたとして,調査会社に調べてもらうとしても費用の問題があります。どのくらい費用が掛かるのか分らないですが,ねん出できないという人もいるのではないかと思います。



起訴されて裁判になった段階で裁判所に鑑定請求するかということもあります。
ただ,裁判所が必ず鑑定を採用するとは限らず,これだけ問題が広がった現在ならいざ知らず,以前であれば,鑑定請求が却下される可能性も相当高かったと思われます。
ちなみに,鑑定が採用されたとしても,仮に有罪になった場合に,後でその費用の負担を求められることがあるということも弁護人と被告人との間では話題になるでしょう。



少年事件の場合には,証拠調べの手続も厳密ではないので,もっとルーズな事実認定がされてしまうでしょう(現に大学生の事件では保護観察となっていますし)。



また,弁護士の争い方としては,成りすましよりも「他人がそのパソコンを使って打ち込んだ」という防御方法を選択する方が現実的のように思います。そのような争い方であれば,「そのパソコンに接近できて使用できた可能性のある人間はだれか」など従来から弁護士が得意としてきた争い方に持ち込めるためです。


そのように考えると,弁護士としても,新たな問題が起こった場合に従来からの争い方をするという固い頭を切り替えて柔軟に考えなければならないということになります。
そもそも,最近は,インターネットやクラウド,スマートフォンなど次々と技術革新が起こっており,法律の問題も次々と新たな課題を突き付けられているという状況で,みんな,認識しつつも,なかなか付いていけていないというところがあります。




■ランキングに参加中です。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


■着手金の簡易見積フォーム
(弁護士江木大輔の法務ページに移動します。)


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。